114回看護師国試験【午前問題120】

次の文を読み 118~120の問いに答えよ。
Aさん (64歳、男性、外国籍)は、1年前に日本に移住し、 娘 (36歳、会社員)と娘の夫 (42歳、会社員、日本人)と3人家族である。 娘の夫は海外に長期出張中で、娘は日本語での簡単な日常会話はできるが、 Aさんはほとんど日本語が理解できない。Aさんは、2か月前から時々腰痛があり、市販薬で様子を見ていたが、徐々に腰痛が強くなり、 娘に付き添われて受診した。 検査の結果、 肺癌(lung cancer)と診断され、胸膜と腰椎への転移が見つかり、 疼痛コントロールの目的で入院した。

問題120
入院 8日、 疼痛がコントロールされてきたAさんは「家に帰りたい」 と希望しているが、娘は「仕事もあるし、もう少し病院にいてほしい」と話している。 そこで、看護師の提案によりAさんのアドバンス・ケア・プランニングが行われることになった。 Aさんのアドバンス・ケア・プランニングで適切なのはどれか。

1. 退院調整看護師に退院の手続きを進めてもらう。
2. Aさんの発言内容の記録は施設外の人には提供しない。
3. 娘の思いや不安に思っていることの解決が優先される。
4. Aさんが大切にしていることや生きがいについて話してもらう。

解答(クリック)
正答:4
解説:
解答1. 退院調整看護師に退院の手続きを進めてもらう(→不正解):アドバンス・ケア・プランニングは、患者の意向を尊重した上で、今後の治療やケアについて話し合うプロセスであり、退院手続きを進めることが目的ではありません。
解答2. Aさんの発言内容の記録は施設外の人には提供しない(→不正解):Aさんの同意があれば、家族や関係者と情報を共有することは可能です。
解答3. 娘の思いや不安に思っていることの解決が優先される(→不正解):アドバンス・ケア・プランニングは、Aさん本人の意向を尊重することが最も重要です。
解答4. Aさんが大切にしていることや生きがいについて話してもらう(→正解):Aさんが大切にしていることや生きがいについて話してもらうことで、Aさんの価値観や希望を理解し、今後の治療やケアに反映させることができます。アドバンス・ケア・プランニングは、患者が自分自身の人生や価値観に基づいて、今後の医療やケアについて意思決定を支援するプロセスです。患者の意向を尊重し、患者と家族、医療者が協働して、最適なケアプランを作成することが重要です。

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