第37回介護福祉士国家試験【問題2】

<領域:人間と社会>人間の尊厳と自立

問題2
Aさん(83歳, 女性, 要介護3) は, 脳梗塞 (cerebral infarction) の後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)があり, 介護老人福祉施設で生活している。 家族から, 「できることは自分で行ってほしい」と希望があり, Aさんは自室から食堂まで車いすで自走する
ことを日課としている。

1週間前から,介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に,「今日は腕が痛いので, 食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は,実習指導者に相談をした。実習生に対する実習指導者の最初の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「Aさんの腕は痛くないので、気にしないでください」
2 「どのようなときも, Aさん自身で行ってもらうことが必要です」
3 「ご家族から自分で行うように,言われています」
4 「それは自立につながらないので、車いすを押さないでください」
5 「Aさんが依頼する理由を、まず考えてみることが大切です」

解答(クリック)
正答:5
解説:この問題では、介護実習中の学生が直面した状況に対する適切な指導方法を問われています。Aさんは以前は自力で食堂まで車いすを自走していましたが、最近になって実習生に車いすを押すよう依頼するようになりました。この変化に対して、実習指導者がどのように助言すべきかを考える必要があります。以下の理由から、5番が最も適切な回答といえます:

1.利用者中心のアプローチ:Aさんの行動の変化には理由があるはずです。単に要求を拒否したり、無視したりするのではなく、その背景にある原因を理解しようとすることが重要です。
2.アセスメントの重要性:介護の基本は、利用者の状態や要望を適切に評価することです。Aさんの依頼の理由を考えることで、身体的、心理的、社会的な変化や問題点を発見できる可能性があります。
3.コミュニケーションスキルの向上:実習生にAさんの依頼の理由を考えさせることで、利用者とのコミュニケーション能力を向上させる機会となります。
4.個別ケアの実践:Aさんの個別の状況や需要を理解することで、より適切な介護計画を立てることができます。
5.自立支援との調和:単に「自立」を強制するのではなく、Aさんの現在の状態と自立支援のバランスを取ることが重要です。

他の選択肢が適切でない理由:
解答1:Aさんの訴えを無視しており、尊厳を損なう可能性があります。
解答2と4:自立支援は重要ですが、柔軟性に欠け、Aさんの現在の状態を考慮していません。
解答3:家族の希望は重要ですが、Aさんの現在の状態や意思を無視しています。

結論として、実習指導者は実習生に対し、まずAさんの行動変化の理由を考えるよう促すことが最も適切な指導方法といえます。これにより、実習生は介護の基本的な姿勢を学び、より適切なケアを提供する能力を身につけることができます。

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