次の文を読み39～41の問いに答えよ。
Aさん（39 歳、初産婦）は身長158cm、体重58kg、特記すべき合併症はない。妊娠41週3日、予定日超過のため、オキシトシンの点滴静脈内注射による分娩誘発が9時から開始された。
問題41
22時、Aさんの子宮は軟らかく、子宮腔内からの暗赤色の出血が続いている。会陰裂傷縫合部からも血液がしみ出すようになった。検査所見は、赤血球267万/μL、Hb 6.8 g/dL、Ht 23 %、白血球 6,400/μL、血小板 7 万/μL、フィブリノゲ ン 92 mg/dL。A さんは呼びかけには開眼し、皮膚は湿っている。バイタルサイン は、体温 37.5 ℃、呼吸数 32/分、脈拍 120/分、整、血圧 79/58 mmHg。酸素マス クで酸素が投与され、オキシトシンを加えた乳酸加リンゲル液の点滴静脈内注射が行われている。このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。 2つ選べ。
1．輸血
2．子宮摘出
3．乳頭刺激
4．裂傷縫合部の再縫合
5．子宮腔内バルーンタンポナーデ
解説：この問題では、Aさん（39歳、初産婦）が出産後に持続的な子宮出血と会陰裂傷からの出血があり、検査結果とバイタルサインから出血性ショックの兆候が見られる状況で、適切な対応を選択します。
【Aさんの現状】
・子宮は軟らかく、子宮腔内から暗赤色の出血が続いている。
・会陰裂傷縫合部からも血液がしみ出ている。
・検査所見：赤血球267万/μL、Hb 6.8 g/dL、Ht 23%、白血球 6,400/μL、血小板 7万/μL、フィブリノゲン 92 mg/dL。
・バイタルサイン：体温 37.5℃、呼吸数 32/分、脈拍 120/分、血圧 79/58 mmHg。
・意識：呼びかけには開眼、皮膚は湿っている。
これらの所見から、Aさんは大量出血による出血性ショックとDIC（播種性血管内凝固症候群）が疑われます。
それぞれの解答を見てみましょう。
解答１（輸血）：適切。AさんのHbが6.8 g/dLと低く、出血性ショックの兆候があるため、血液製剤の補充が必要です。赤血球製剤、血小板、そしてフィブリノゲンの補充が考慮されます。
解答２（子宮摘出）：緊急事態で出血が止まらない場合、命を救うために子宮摘出が必要になることがあります。最終手段として考慮されますが、まずは他の方法で出血を止める努力が行われます。
解答３（乳頭刺激）：不適切。乳頭刺激はオキシトシン分泌を促す目的がありますが、現在すでにオキシトシンが投与されており、出血を止めるためには不十分です。
解答４（裂傷縫合部の再縫合）：適切。会陰裂傷からの出血もあるため、出血を止めるためには裂傷部の再縫合が必要です。
解答５（子宮腔内バルーンタンポナーデ）：適切。子宮からの出血をコントロールするために、バルーンタンポナーデが効果的な方法の一つです。
したがって、Aさんの対応として適切な解答は２と５になります。
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