問題10
30歳の初産婦、既往歴なし。妊娠経過を以下に示す。
妊娠30週6日の状態で考えられるのはどれか。
1．妊娠高血圧
2．高血圧合併妊娠
3．妊娠高血圧腎症
4．加重型妊娠高血圧腎症
解説：この問題は、妊娠30週6日の初産婦の妊娠経過を基に、現在の状態を診断することを求めています。表に示されたデータから、適切な診断を考えます。表の内容を確認します：
・子宮底長：16週6日から30週6日までの・期間に正常な範囲で増加しています。
・腹囲：16週6日から30週6日までの期間に正常な範囲で増加しています。
・体重：増加はありますが、特に異常な急増は見られません。
・血圧：
*16週6日：112/58 mmHg
*26週6日：128/76 mmHg
*28週6日：130/88 mmHg
*30週6日：150/103 mmHg（著しい上昇）
・浮腫：30週6日まで浮腫は（−）です。
・尿蛋白：
*16週6日：なし
*26週6日：（±）
*28週6日：2＋
*30週6日：3＋（明らかな増加）
・尿糖：常に（−）
・推定胎児体重：増加していますが、特に異常はないようです。
これらのデータから考えられることを検討します：
１，妊娠高血圧
妊娠20週以降に初めて発症する高血圧（140/90 mmHg以上）を指しますが、蛋白尿が伴わない場合が多いです。
２，高血圧合併妊娠
妊娠前から高血圧が存在する、または妊娠20週前に発症した高血圧を指します。この症例では妊娠初期に高血圧が見られないため該当しません。
３，妊娠高血圧腎症（子癇前症）
妊娠20週以降に高血圧（140/90 mmHg以上）と蛋白尿（0.3g/日以上、すなわち尿蛋白が2＋以上）を伴う場合を指します。この症例では、妊娠30週6日の血圧が150/103 mmHgであり、尿蛋白が3＋です。したがって、これが適切な診断となります。
４，加重型妊娠高血圧腎症
妊娠前から高血圧や腎疾患があり、それが妊娠中に悪化した場合を指します。この症例では妊娠前の高血圧や腎疾患の既往がないため該当しません。
これらの情報を総合すると、妊娠30週6日の状態で考えられる最も適切な診断は 3. 妊娠高血圧腎症 です。
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