第36回介護福祉士国家試験【問題110】

次の事例を読んで,問題110について答えなさい。

【事例】
Aさん(75歳,女性)は,一人暮らしで,身体機能に問題はない。70歳まで地域の子どもたちに大正琴を教えていた。認知症(dementia)の進行が疑われて,心配した友人が地域包括支援センターに相談した結果,Aさんは介護老人福祉施設に入所することになった。入所時のAさんの要介護度は3であった。入所後,短期目標を「施設に慣れ,安心して生活する( 3 か月)」と設定し,計画は順調に進んでいた。Aさんは施設の大正琴クラブに自ら進んで参加し,演奏したり,ほかの利用者に大正琴を笑顔で教えたりしていた。ある日,クラブの終了後に,Aさんは部屋に戻らずに,エレベーターの前で立ち止まっていた。介護職員が声をかけると,Aさんが,「あの子たちが待っているの」と強い口調で言った。

<領域:介護>介護過程

問題110
Aさんの状況から支援を見直すことになった。 次の記述のうち,新たな支援の方向性として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1.介護職員との関係を改善する。
2.身体機能を改善する。
3.演奏できる自信を取り戻す。
4.エレベーターの前に座れる環境を整える。
5.大正琴を教える役割をもつ。

解答(クリック)
正答:5
解説:事例からAさんの状況とニーズを考慮し、新たな支援の方向性を選びます。

事例の要点↓

・Aさんは認知症の進行が疑われて介護老人福祉施設に入所。
・身体機能に問題はないが、認知症の影響で混乱することがある。
・施設内の大正琴クラブに積極的に参加し、他の利用者に教えることを楽しんでいる。
・「あの子たちが待っている」という発言から、過去の教え子を思い出している可能性がある。

各解説は以下になります。

解答1:介護職員との関係を改善する。
介護職員との関係改善は重要ですが、Aさんの認知症の症状や行動に直接対応する支援策ではありません。

解答2:身体機能を改善する。
Aさんの身体機能には問題がないため、これを目標にするのは適切ではありません。

解答3:演奏できる自信を取り戻す。
Aさんは既に大正琴クラブで演奏しており、自信に問題はないようです。

解答4:エレベーターの前に座れる環境を整える。
エレベーター前に座れる環境を整えることは、Aさんの行動の根本的な原因に対応していません。

解答5:大正琴を教える役割をもつ。
Aさんは大正琴を教えることに情熱を持ち、他の利用者にも教える活動を通じて充実感を得ています。この役割を持つことは、Aさんの自己実現や認知症の進行を遅らせる可能性があります。また、他の利用者との交流も深まり、生活の質が向上するでしょう。

従って、最も適切な新たな支援の方向性は解答5と言えます。この支援策は、Aさんの過去の経験やスキルを活かし、認知症の影響による混乱を軽減し、生活の質を向上させることが期待されます。また、Aさんにとって有意義な活動を提供することで、施設での生活にさらに慣れ、安心して過ごすことができます。
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