113回看護師国試験【午後問題115】

次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(14歳、男子、特別支援学校の中学生)はDuchenne <デュシェンヌ>型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)で両親、弟(7歳)と2階建ての家に4人で暮らしている。呼吸障害が進行したため非侵襲的陽圧換気療法を導入する目的で入院した。 Aさんの呼吸状態は安定し、両親に対するバッグバルブマスクによる用手換気の指導が終了したため、自宅に退院し訪問看護を毎日利用して療養生活を続けることになった。 両親は「日常の呼吸管理について退院後に対応できるか心配です」と病棟の看護師に話した。

問題115
Aさんの両親に対する看護師の指導で適切なのはどれか。

1. 息苦しいときは非侵襲的陽圧換気の吸気圧を上げる。
2. 人工呼吸器が動かないときはすぐに救急車を要請する。
3. 人工呼吸器が過剰送気を示すときは回路が外れていないか確認する。
4. マスクの周囲から空気が漏れるときはマスクのベルトをきつく締める。

解答(クリック)
正答:3
解説:Aさんは自宅で非侵襲的陽圧換気療法を行うため、両親は機器のトラブルへの対応方法を学ぶ必要があります。選択肢の中で、人工呼吸器の過剰送気は回路のずれが原因となる可能性があり、緊急性の高いトラブルです。そのため、3番の「人工呼吸器が過剰送気を示すときは回路が外れていないか確認する」が最も適切な指導内容となります。ちなみに解答1(息苦しいときは非侵襲的陽圧換気の吸気圧を上げる):息苦しい場合は、医師の指示に基づいて吸気圧を調整する必要がありますが、患者さん自身が調整するのは危険です。解答2(人工呼吸器が動かないときはすぐに救急車を要請する):人工呼吸器が動作しない場合は、電源や回路を確認する必要がありますが、状況によってはすぐに救急車を呼ぶ必要もあります。具体的な確認方法や判断基準を伝えることが重要です。解答4(マスクの周囲から空気が漏れるときはマスクのベルトをきつく締める):スクの隙間からの漏れは、設定圧が適切でない場合やマスクサイズが合っていない場合にも起こります。ベルトを締めすぎると、逆に圧迫感を与えてしまいます。
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