
次の文を読み、106~108の問いに答えよ。
Aちゃん (1歳4か月、女児)は、午前9時ころ、 ポータブル型のゲーム機用の直径10mmのボタン型電池を誤飲し、 午前10時に両親に付き添われ外来を受診した。 看護師がAちゃんを観察すると、 機嫌は良くバイタルサインも安定していた。 A ちゃんに成長や発達の遅れはない。待合室にはAちゃんの他に3人の患児が診察を待っていた。 それぞれは以下のとおりである。 B君(1歳3か月、男児): 今朝、カーペットの敷かれたフロアで歩行中に転倒。 バイ
タルサインは正常、 顔色良好。 母親に抱っこされて遊んでいる。 Cちゃん (3歳、女児): 体温 39.5°C、呼吸数23/分、 脈拍100/分、鼻汁多量、 機嫌良好、顔色良好。D君 (9か月、 男児) : 自宅で痙攣したため受診。 初めての痙攣で、 5分間継続したが、受診時には止まっている。 待合室にて3回の嘔吐。 体温38.7°C。声かけで開眼するが、すぐにうとうとする。
問題107
Aちゃんは、 腹部エックス線撮影で胃内にボタン型電池が認められ、全身麻酔下での内視鏡でボタン型電池を摘出し、消化管粘膜に大きな問題はなかった。 摘出後、小児病棟に1泊入院した。 小児病棟に入院1時間後、看護師が訪室すると Aちゃんは覚醒しており、図のように「ママー、 ママー」と言いながら大声で泣き、ベッドから両親の方に手を伸ばしている。両親は戸惑った様子で、ベッドの傍に立っている。
このときの看護師による安全な療養環境の整備で適切なのはどれか。 2つ選べ。
1. ぬいぐるみを取り除く。
2. 毛布をベッド柵にかける。
3. 柵を半分の高さまで降ろす。
4. 点滴ルートの長さを延長する。
5. 点滴スタンドをAちゃんの手が届くところまで近づける。
解説:
解答1:ぬいぐるみを取り除く。(→正解)Aちゃんが覚醒して泣いている状態で、ベッド周りにぬいぐるみがあると、落ち着かない環境になる可能性があります。特に、幼児は好奇心が強いため、ぬいぐるみを使って手や体を引っ張ったり、誤って転倒したりするリスクを減らすためにも、ぬいぐるみは取り除くことが適切です。
解答2:毛布をベッド柵にかける。(→不正解)毛布を柵にかけることは、Aちゃんが手を伸ばしたり、動き回ったりする際に毛布に引っかかるリスクがあるため、必ずしも安全とは言えません。毛布は整理して、引っかからないようにした方が安全です。
解答3:柵を半分の高さまで降ろす。(→不正解)ベッド柵は安全を確保するために使うもので、半分に降ろすことは逆に転落のリスクを高める可能性があります。通常、柵はしっかりと全高を保つべきです。
解答4:点滴ルートの長さを延長する。(→正解)Aちゃんがベッドから動こうとしたり、手を伸ばして動き回ることを防ぐためには、点滴ルートの長さを適切に調整し、動き回った際に点滴が引っ張られないようにすることが重要です。これにより、点滴が外れるリスクを減らし、安全な療養環境を保てます。
解答5:点滴スタンドをAちゃんの手が届くところまで近づける。(→不正解)点滴スタンドを手の届くところに置くことは逆効果です。Aちゃんがそれに手を伸ばしてしまうと、点滴のラインが外れるなどのトラブルを引き起こす可能性があるため、点滴スタンドは手の届かない場所に設置するべきです。