
次の文を読み、103~105の問いに答えよ。
Aさん (76歳 男性) は妻 (72歳)と2人で暮らしている。 ベッドからトイレに起きようとしたところ右上下肢にしびれと脱力感があり、 動けなくなったため救急車で来院した。頭部CTで左中大脳動脈領域のラクナ梗塞(lacunar infarction)と診断され、 緊急入院し血栓溶解療法が施行された。
既往歴: 53歳で高血圧症(hypertension)と診断され内服治療を継続している。
生活歴:60歳まで食品会社に勤務していた。
入院時の身体所見: 身長168cm、体重65kg、 体温 37.2°C、 呼吸数20/分、 脈拍78/分、整、血圧210/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2〉 97% (room air)、 右上下肢麻痺を認めた。
入院時の検査所見: 白血球 3,600/μL、赤血球420万/μL、 Hb 11.2g/dL、 総蛋白 6.2g/dL、アルブミン 3.6g/dL、 空腹時血糖108mg/dL、CRP 0.1mg/dL。
問題104
入院5日。 Aさんは座位訓練の後、車椅子に座って食事を摂取することになった。食事動作は自助具を使用すれば少しずつ自分で摂取できるようになったが、 時 間が経過すると上体が右側に傾くため、 体幹の右側にクッションを入れて食事をしている。Aさんが安定して食事ができるための援助で適切なのはどれか。
1. 座位時間を徐々に短縮する。
2. テーブルの高さを高くする。
3. 背部にタオルを入れ軽く前傾姿勢にする。
4.Aさん自身で左側に重心を傾けるよう指導する。
解答(クリック)
正答:3
解説:
1. 解答: 座位時間を徐々に短縮する(→不正解)
- 座位時間を短縮することは、ADLの向上や食事摂取の改善につながらない。
2. 解答: テーブルの高さを高くする(→不正解)
- テーブルを高くすることで、かえって食事動作が困難になる可能性がある。
3. 解答: 背部にタオルを入れ軽く前傾姿勢にする(→正解)
- 軽い前傾姿勢は、体幹の安定性を高め、右側への傾きを軽減する。また、食事動作の円滑化にもつながる。
4. 解答: Aさん自身で左側に重心を傾けるよう指導する(→不正解)
- 患者自身に意識的に姿勢を修正させることは、疲労を増加させ、食事に集中できなくなる可能性がある。
解説:
1. 解答: 座位時間を徐々に短縮する(→不正解)
- 座位時間を短縮することは、ADLの向上や食事摂取の改善につながらない。
2. 解答: テーブルの高さを高くする(→不正解)
- テーブルを高くすることで、かえって食事動作が困難になる可能性がある。
3. 解答: 背部にタオルを入れ軽く前傾姿勢にする(→正解)
- 軽い前傾姿勢は、体幹の安定性を高め、右側への傾きを軽減する。また、食事動作の円滑化にもつながる。
4. 解答: Aさん自身で左側に重心を傾けるよう指導する(→不正解)
- 患者自身に意識的に姿勢を修正させることは、疲労を増加させ、食事に集中できなくなる可能性がある。