
次の文を読み 100~102の問いに答えよ。
Aさん (80歳、女性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。 半年前に軽度のAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断され、抗認知症薬の内服治療を開始した。 要支援2の認定を受けている。Aさんが屋内でぐったりしているのを訪問した近所の人が発見し、救急搬送された。来院時のバイタルサインは、 体温 36.5°C、 呼吸数 20/分、 脈拍92/分、 血圧130/82 mmHgで、皮膚に軽度の発汗がみられた。 頭痛や吐き気はなかった。看護師がAさんに状況を聞くと、 最近は食欲がなく、 食べたり飲んだりしていなかったし、昨日は排尿回数も普段より少なかったと話した。
問題102
入院3日。 Aさんは明日の退院が決まった。 看護師が朝食後に抗認知症薬の配薬に行くと、Aさんが「もう薬の時間ですか」と言った。 また、 自分の病室を間違えることが数回あった。Aさんが退院後の在宅療養を継続するために、 看護師が担当の介護支援専門員へ伝える情報で最も適切なのはどれか。
1. 歩行状態
2. 食事の摂取量
3.入院中の治療内容
4.認知機能障害の出現状況
解答(クリック)
正答:4
解説:
解答1:「歩行状態」(×不正解)
→ 歩行状態は在宅療養においては重要な情報ですが、問題文では「歩行時にふらつきがある」ことは入院2日目の状況として既に記載されています。現在のAさんの主な問題は認知機能の変化であり、歩行状態よりも認知機能の変化に関する情報の方が優先度が高いです。
解答2:「食事の摂取量」(×不正解)
→ 食事の摂取量も在宅療養では重要ですが、問題文では入院前の脱水状態からは「全身状態は改善し、食事が開始された」とあり、現在は食事に関する問題よりも認知機能の問題が顕著になっています。また、食事摂取量の情報だけでは、在宅での具体的な支援計画に直接結びつきにくいです。
解答3:「入院中の治療内容」(×不正解)
→ 入院中の治療内容は継続的なケアのために必要な情報ですが、Aさんの場合は「経過を観察するため入院」とあり、特別な治療があったことは示されていません。また、治療内容よりも現在の認知機能の状態に基づいた支援の方が、在宅療養継続には重要です。
解答4:「認知機能障害の出現状況」(〇正解)
→ Aさんは「もう薬の時間ですか」と薬の時間に関する認識の混乱や、「自分の病室を間違えることが数回あった」という場所の見当識障害を示しています。これらは入院前からの軽度認知症が進行している可能性を示唆しています。在宅療養を継続するためには、こうした認知機能障害の出現状況を介護支援専門員に伝え、服薬管理や住環境調整など適切な支援を計画することが最も重要です。特に独居高齢者の場合、認知機能の変化に応じたサービス調整が在宅生活継続の鍵となります。
解説:
解答1:「歩行状態」(×不正解)
→ 歩行状態は在宅療養においては重要な情報ですが、問題文では「歩行時にふらつきがある」ことは入院2日目の状況として既に記載されています。現在のAさんの主な問題は認知機能の変化であり、歩行状態よりも認知機能の変化に関する情報の方が優先度が高いです。
解答2:「食事の摂取量」(×不正解)
→ 食事の摂取量も在宅療養では重要ですが、問題文では入院前の脱水状態からは「全身状態は改善し、食事が開始された」とあり、現在は食事に関する問題よりも認知機能の問題が顕著になっています。また、食事摂取量の情報だけでは、在宅での具体的な支援計画に直接結びつきにくいです。
解答3:「入院中の治療内容」(×不正解)
→ 入院中の治療内容は継続的なケアのために必要な情報ですが、Aさんの場合は「経過を観察するため入院」とあり、特別な治療があったことは示されていません。また、治療内容よりも現在の認知機能の状態に基づいた支援の方が、在宅療養継続には重要です。
解答4:「認知機能障害の出現状況」(〇正解)
→ Aさんは「もう薬の時間ですか」と薬の時間に関する認識の混乱や、「自分の病室を間違えることが数回あった」という場所の見当識障害を示しています。これらは入院前からの軽度認知症が進行している可能性を示唆しています。在宅療養を継続するためには、こうした認知機能障害の出現状況を介護支援専門員に伝え、服薬管理や住環境調整など適切な支援を計画することが最も重要です。特に独居高齢者の場合、認知機能の変化に応じたサービス調整が在宅生活継続の鍵となります。