
次の文を読み 97~99 の問いに答えよ。
Aさん(57歳、男性) は、 芳香族アミンを扱う化学工場に39年勤務している。
現病歴:ここ数か月で次第に尿の色が濃くなった。 いきまないと排尿できなくなり、
泌尿器科を受診し、採血および尿検査を受けた。
既往歴: 特記すべき点なし。
生活歴: 喫煙 40本 / 日を36年間、焼酎120mLの飲酒をほぼ毎日、20年間続けている。
身体所見:顔面、四肢に浮腫なし、 黒色便なし、 血便なし。
検査所見:赤血球 308万/μL、Hb 9.9g/dL、血清アルブミン4.2g/dL、血清総ビリルビン 0.2mg/dL、 血糖102mg/dL、 ヘモグロビン Alc〈HbA1c〉 5.4%。
問題98
Aさんは膀胱全摘出術および回腸導管造設術を受けることになった。Aさんへの術前の説明で正しいのはどれか。
1. 「浴槽のお湯に入ることはできません」
2. 「水分の摂り過ぎに注意が必要です」
3. 「肛門から尿が出ます」
4.「尿意は感じません」
解答(クリック)
正答:4
解説:
解答1:「浴槽のお湯に入ることはできません」(×不正解)
→ 回腸導管造設術後は、ストーマ装具を装着していれば入浴は可能です。ストーマ装具は防水性があり、適切に装着されていれば浴槽に入ることができます。術創が治癒し、医師から許可が出れば入浴制限はありません。
解答2:「水分の摂り過ぎに注意が必要です」(×不正解)
→ 回腸導管造設術後は、むしろ十分な水分摂取が推奨されます。回腸導管は尿を常に排出するため、十分な水分摂取により尿路感染症や結石形成のリスクを低減します。また、回腸粘膜からの電解質吸収を減らし、代謝性アシドーシスを予防するためにも水分摂取は重要です。
解答3:「肛門から尿が出ます」(×不正解)
→ 回腸導管造設術では、尿管を回腸の一部に吻合し、回腸の一端を腹壁に開口してストーマを作ります。尿は回腸導管を通してストーマから排出され、肛門からは排出されません。
解答4:「尿意は感じません」(〇正解)
→ 膀胱全摘出術により膀胱が完全に除去されるため、尿意を感じる神経受容体がなくなります。また、回腸導管には括約筋がなく、尿は常時ストーマから排出されるため、尿意を感じることはありません。このことは患者さんの術前の理解として重要であり、尿意を感じなくなることが生理的機能の変化として正しく説明されます。
解説:
解答1:「浴槽のお湯に入ることはできません」(×不正解)
→ 回腸導管造設術後は、ストーマ装具を装着していれば入浴は可能です。ストーマ装具は防水性があり、適切に装着されていれば浴槽に入ることができます。術創が治癒し、医師から許可が出れば入浴制限はありません。
解答2:「水分の摂り過ぎに注意が必要です」(×不正解)
→ 回腸導管造設術後は、むしろ十分な水分摂取が推奨されます。回腸導管は尿を常に排出するため、十分な水分摂取により尿路感染症や結石形成のリスクを低減します。また、回腸粘膜からの電解質吸収を減らし、代謝性アシドーシスを予防するためにも水分摂取は重要です。
解答3:「肛門から尿が出ます」(×不正解)
→ 回腸導管造設術では、尿管を回腸の一部に吻合し、回腸の一端を腹壁に開口してストーマを作ります。尿は回腸導管を通してストーマから排出され、肛門からは排出されません。
解答4:「尿意は感じません」(〇正解)
→ 膀胱全摘出術により膀胱が完全に除去されるため、尿意を感じる神経受容体がなくなります。また、回腸導管には括約筋がなく、尿は常時ストーマから排出されるため、尿意を感じることはありません。このことは患者さんの術前の理解として重要であり、尿意を感じなくなることが生理的機能の変化として正しく説明されます。