
次の文を読み 94~96 の問いに答えよ。
Bさん (78歳、女性) は特別養護老人ホームに入所している。 Bさんは2年前から認知症と診断され、 昼夜逆転があるため、日中はほとんどベッドで過ごしている。 食事は全量介助が必要で、 食事中はむせ込みがみられる。 傾眠傾向で、 刺激に対しての反応は乏しい。Bさんは介護職が体位変換をした際に、うめき声をあげ、 その後も時々痛みを訴えるようになった。
問題96
術後3日、 心臓リハビリテーションが開始された。Aさんは「傷の痛みはありますが、血管をつないだから安心ですね。 落ちついたら、家族と温泉に行きたいです」と看護師に話した。Aさんの生活指導で適切なのはどれか。
1. 「肩までお湯に入りましょう」
2. 「お湯の温度は43°C以上にしましょう」
3. 「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」
4.「心筋梗塞による心不全があるので入浴は控えましょう」
解答(クリック)
正答:3
解説:
解答1:「肩までお湯に入りましょう」(×不正解)
→ 心筋梗塞後の患者さんは、特に回復初期には入浴時の水圧による心臓への負担を考慮する必要があります。肩までお湯に浸かることで胸部に水圧がかかり、静脈還流量が増加して心臓への負担が大きくなります。そのため、みぞおち(剣状突起)あたりまでの半身浴が推奨されます。
解答2:「お湯の温度は43°C以上にしましょう」(×不正解)
→ 高温の湯は血管を拡張させ、血圧低下や心拍数増加を引き起こし、心臓への負担を増大させます。心筋梗塞後の患者には、38〜40°C程度のぬるめの温度が適しており、43°C以上の高温浴は避けるべきです。
解答3:「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」(〇正解)
→ 食後は消化のために内臓に血液が集中するため、入浴による末梢血管の拡張と合わさると、相対的に心臓への血液供給が不足する可能性があります。特に心筋梗塞後の患者では、心筋への血流確保が重要なため、食後すぐの入浴は避け、消化活動が落ち着く食後1時間以上経過してからの入浴が適切です。
解説:
解答1:「肩までお湯に入りましょう」(×不正解)
→ 心筋梗塞後の患者さんは、特に回復初期には入浴時の水圧による心臓への負担を考慮する必要があります。肩までお湯に浸かることで胸部に水圧がかかり、静脈還流量が増加して心臓への負担が大きくなります。そのため、みぞおち(剣状突起)あたりまでの半身浴が推奨されます。
解答2:「お湯の温度は43°C以上にしましょう」(×不正解)
→ 高温の湯は血管を拡張させ、血圧低下や心拍数増加を引き起こし、心臓への負担を増大させます。心筋梗塞後の患者には、38〜40°C程度のぬるめの温度が適しており、43°C以上の高温浴は避けるべきです。
解答3:「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」(〇正解)
→ 食後は消化のために内臓に血液が集中するため、入浴による末梢血管の拡張と合わさると、相対的に心臓への血液供給が不足する可能性があります。特に心筋梗塞後の患者では、心筋への血流確保が重要なため、食後すぐの入浴は避け、消化活動が落ち着く食後1時間以上経過してからの入浴が適切です。
解答4:「心筋梗塞による心不全があるので入浴は控えましょう」(×不正解)
→ 心筋梗塞後であっても、適切な条件下での入浴は必ずしも禁忌ではありません。問題文では「心臓リハビリテーションが開始された」とあり、Aさんの状態はある程度安定していると考えられます。また、心不全の重症度や状態によって入浴の可否が決まりますが、症例文からは重度の心不全を示す所見はなく、入浴を完全に禁止する根拠に欠けます。適切な条件(ぬるめの温度、半身浴、短時間など)を守れば入浴は可能であり、QOL維持の観点からも重要です。