
次の文を読み 94~96 の問いに答えよ。
Bさん (78歳、女性) は特別養護老人ホームに入所している。 Bさんは2年前から認知症と診断され、 昼夜逆転があるため、日中はほとんどベッドで過ごしている。 食事は全量介助が必要で、 食事中はむせ込みがみられる。 傾眠傾向で、 刺激に対しての反応は乏しい。Bさんは介護職が体位変換をした際に、うめき声をあげ、 その後も時々痛みを訴えるようになった。
問題94
Aさんに起こっている可能性が高い合併症はどれか。
1. 低心拍出量症候群 〈LOS〉
2. 心タンポナーデ
3. 肺水腫
4. 無気肺
解答(クリック)
正答:3
解説:
解答1:「低心拍出量症候群 〈LOS〉」(×不正解)
→ 低心拍出量症候群の特徴は、末梢冷感、尿量減少、低血圧などです。Aさんの場合、血圧は126/62mmHgと正常範囲内で、末梢冷感もなく、左室駆出率も45%と極端な低下はみられません。よって、低心拍出量症候群の可能性は低いと考えられます。
解答2:「心タンポナーデ」(×不正解)
→ 心タンポナーデは心囊液の貯留により心臓が圧迫され、心拍出量が低下する状態です。心エコー検査で「心囊液の貯留なし」と記載されているため、心タンポナーデの可能性は除外できます。
解答3:「肺水腫」(〇正解)
→ Aさんは肺野全体に湿性ラ音を聴取し、漿液性の気道分泌物を認め、胸部エックス線写真では両肺野の広範に透過性の低下があります。これらの所見は肺水腫を示唆しています。また、中心静脈圧が12cmH2Oと上昇していることも循環血液量の増加を示しており、肺水腫の可能性が高いです。手術中の輸液量(2,700mL)に比べて尿量(200mL)が少ないことも体内水分の貯留を示唆しています。
解答4:「無気肺」(×不正解)
→ 無気肺は肺胞の虚脱状態であり、通常は局所的な呼吸音の減弱や消失が特徴です。Aさんの場合、肺野全体に湿性ラ音を聴取しており、胸部エックス線写真でも両肺野の広範に透過性の低下があるため、肺水腫の所見に合致します。また、PaO2が95Torrと酸素化は維持されており、無気肺による著明な低酸素血症は認められません。
解説:
解答1:「低心拍出量症候群 〈LOS〉」(×不正解)
→ 低心拍出量症候群の特徴は、末梢冷感、尿量減少、低血圧などです。Aさんの場合、血圧は126/62mmHgと正常範囲内で、末梢冷感もなく、左室駆出率も45%と極端な低下はみられません。よって、低心拍出量症候群の可能性は低いと考えられます。
解答2:「心タンポナーデ」(×不正解)
→ 心タンポナーデは心囊液の貯留により心臓が圧迫され、心拍出量が低下する状態です。心エコー検査で「心囊液の貯留なし」と記載されているため、心タンポナーデの可能性は除外できます。
解答3:「肺水腫」(〇正解)
→ Aさんは肺野全体に湿性ラ音を聴取し、漿液性の気道分泌物を認め、胸部エックス線写真では両肺野の広範に透過性の低下があります。これらの所見は肺水腫を示唆しています。また、中心静脈圧が12cmH2Oと上昇していることも循環血液量の増加を示しており、肺水腫の可能性が高いです。手術中の輸液量(2,700mL)に比べて尿量(200mL)が少ないことも体内水分の貯留を示唆しています。
解答4:「無気肺」(×不正解)
→ 無気肺は肺胞の虚脱状態であり、通常は局所的な呼吸音の減弱や消失が特徴です。Aさんの場合、肺野全体に湿性ラ音を聴取しており、胸部エックス線写真でも両肺野の広範に透過性の低下があるため、肺水腫の所見に合致します。また、PaO2が95Torrと酸素化は維持されており、無気肺による著明な低酸素血症は認められません。