
<領域: 介護> 介護過程
次の事例を読んで、 問題 110について答えなさい。
[事例] Aさん (78 歳,男性, 要介護1) は,一人暮らしで, 脳梗塞 (cerebral infarction) を 発症し入院した。 その後, リハビリテーションを経て, 自宅に戻った。 利き手の右手に麻痺(まひ)が残ったため、左手を使った調理の自立を目的に、 訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。 サービス利用時は、 訪問介護員(ホームヘルパー) の協力を得ながら, 孫からプレゼントされた包丁を使って、調理に取り組んでいた。 ある日、 好物の牛肉をうまく押さえることができず, 切ることができなかった。 すると,Aさんは包丁を置き, 部屋で横になってしまった。 心配した訪問介護員(ホームヘルパー)が声をかけ, バイタルサインを確認したところ変化はなかった。 Aさんは, 「右手が思うように動いてくれない。 悔しい。でも,もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話した。 次の日、Aさんは、「今日も手伝って」 と訪問介護員(ホームヘルパー)に話した。
問題 110
調理中にAさんが包丁を置き, 部屋で横になってしまった行動に対する解釈として, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 体調不良による休憩
2 食材に対する不満
3 調理に対する興味の喪失
4 包丁に対する不満
5 調理がうまくできないことに対する苛立ち(いらだち)
解説:Aさんの行動は、調理中に包丁を使って牛肉を切ることがうまくできなかったことに起因しています。Aさんはその後、包丁を置き部屋で横になったと記述されていますが、心配した訪問介護員がバイタルサインを確認したところ変化はなかったとあり、体調不良の兆候は見られなかったことから、身体的な問題ではなく、調理がうまくいかないことに対する心理的な反応として解釈するのが適切です。また、Aさんは「悔しい」と感じており、「もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話しているため、うまくできないことに対する苛立ちや悔しさが原因で、気持ちが落ち着かず部屋で横になった可能性が高いです。したがって正解は5と言えます。
各解答の解説は以下となります。
解答1:体調不良による休憩
Aさんのバイタルサインに変化はなく、体調不良が原因ではないことが記述されています。
したがって、この選択肢は不適切です。
解答2:食材に対する不満
食材に対して不満を感じている記述はありません。問題は調理がうまくできなかったことにあります。
解答3:調理に対する興味の喪失
Aさんは「もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話しており、調理に対する興味は失っていないことがわかります。
解答4:包丁に対する不満
Aさんが包丁に対して不満を表明している記述はなく、問題は包丁の使いにくさではなく、調理がうまくいかなかったことです。
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