
<領域: 介護> 生活支援技術
問題90
Aさん (75歳 男性) は、 1年前に前頭側頭型認知症 (frontotemporal dementia) と診断され、現在は,認知症対応型共同生活介護 (認知症高齢者グループホーム)に入居している。 若い頃から食べることが好きである。 現在, 咀嚼(租借)や嚥下機能(えんげきのう)の低下はなく、スプーンを使い, 自分で食べている。 最近, 飲み込む前に次々と食べ物を口に入れることが増えた。 次の記述のうち,Aさんの現在の状態に合わせた食事の介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 取っ手つきのコップを準備する。
2 食器に少量ずつ盛りつけて提供する。
3 すべての料理をテーブルの上に並べる。
4 大きなスプーンに変更する。
5 手で持って食べられる物を準備する。
解説:Aさんは前頭側頭型認知症(FTD) であり、最近飲み込む前に次々と食べ物を口に入れる(早食いや過食の傾向) が見られる状態です。
この行動は、前頭側頭型認知症の特徴的な症状の一つ であり、食事のコントロールが必要になります。そのため、食事の量を調整し、一度に多くの食べ物を口に入れすぎないようにすることが重要 です。具体的には、「2. 食器に少量ずつ盛りつけて提供する」ことで、食べすぎや誤嚥のリスクを減らすことができるため、これが最も適切な対応 となります。
他、解答の解説は以下となります。
解答1:「取っ手つきのコップを準備する。」 → ✕
・Aさんはスプーンを使い、自分で食べられているため、特にコップの取っ手の有無は関係ない。
・むせる、飲みにくいといった症状があるならば、飲みやすいコップを準備することは有効 だが、この場合は必要ない。
解答3:「すべての料理をテーブルの上に並べる。」 → ✕
・前頭側頭型認知症では、食行動の制御が難しくなることがあるため、一度にたくさんの食事を並べると、一気に食べてしまう可能性が高い。
・一品ずつ提供する、または少量ずつ盛ることで、過食を防ぐことが望ましい。
解答4:「大きなスプーンに変更する。」 → ✕
・大きなスプーンにすると一度に口に入る量が増え、早食いや誤嚥のリスクが高まる。
・むしろ、小さめのスプーンにすることで、一口の量を調整するのがよい。
解答5:「手で持って食べられる物を準備する。」 → ✕
・手づかみ食べは、認知症の進行によって食具が使えない場合に考慮するもの。
・Aさんはスプーンを使用できているため、手づかみ食べを促す必要はない。
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