
<領域: 介護> 介護の基本
問題70
B さん (68歳, 女性, 要介護1) は、ヨーロッパで生まれ育ち, 50歳のときに日本人と結婚した。 65歳で夫と共に日本で暮らすようになったが, 日本語は十分に理解できない。 半年前に, 脳梗塞 (cerebral infarction) を起こし、利き手に麻痺(まひ)があり、立ち上がりも不安定である。 現在は、 介護老人保健施設に入所し、在宅復帰へ向けたリハビリテーションを行っている。 Bさんはこれまでの生活様式を
守り、自宅で自分のペースで食事ができるようになりたいと希望している。 次の記述のうち、Bさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 入所中は母語を使わずに, 日本語を話すように伝える。
2 居室の床に布団を敷いて寝起きができるようにする。
3 自分で食事ができるように,自助具の使用状況を確認する。
4 ほかの利用者と同じ時間に食べ終えるように伝える。
5 日本の生活に合わせるように, 余暇活動の内容は介護福祉職が判断する。
解説:Bさんは脳梗塞の後遺症で利き手に麻痺があり、立ち上がりも不安定な状態です。また、ヨーロッパで生まれ育ち、日本語が十分に理解できないため、文化的背景や言語面への配慮も必要です。さらに、在宅復帰を希望しており、自宅で自分のペースで食事ができるようになりたいという意向を持っています。介護福祉職は、Bさんの文化的背景を尊重しながら、自立支援につながる適切な対応を取る必要があります。各解答の解説は以下になります。
解答1:入所中は母語を使わずに、日本語を話すように伝える。 → ✕(不適切)
言語の強制はBさんの心理的な負担となり、不安やストレスの原因になる。
介護では、利用者の安心感を高めることが大切。Bさんが理解しやすい言語(母語や簡単な日本語、ジェスチャーなど)でコミュニケーションを取ることが望ましい。
解答2:居室の床に布団を敷いて寝起きができるようにする。 → ✕(不適切)
Bさんは立ち上がりが不安定な状態であるため、布団での生活は転倒リスクが高まる。
介護ベッドを使用し、安全に起き上がり・立ち上がれる環境を整えることが適切。
解答3:自分で食事ができるように、自助具の使用状況を確認する。 → 〇(正解)
Bさんは自宅で自分のペースで食事をしたいと希望しているため、自立した食事動作を支援することが重要。
利き手に麻痺があるため、スプーンやフォーク、箸の持ち方、食器の形状、滑り止めの有無などを確認し、適切な自助具を活用することが望ましい。
解答4:ほかの利用者と同じ時間に食べ終えるように伝える。 → ✕(不適切)
Bさんは「自分のペースで食事をしたい」と希望しており、無理に他の利用者とペースを合わせる必要はない。
食事は楽しく、安全に行うことが大切であり、急かすことはストレスになり、誤嚥のリスクを高める可能性もある。
解答5:日本の生活に合わせるように、余暇活動の内容は介護福祉職が判断する。 → ✕(不適切)
利用者の文化や価値観を尊重することが大切であり、日本の生活に無理に合わせさせるのは不適切。
余暇活動はBさんの意向を尊重し、本人が楽しめるものを取り入れることが望ましい。
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