
<領域:こころとからだのしくみ>障害の理解
問題57
次の記述のうち, 「障害者差別解消法」 の合理的配慮に沿った対応として最も適切なものを1つ選びなさい。
1 車いすの身体障害者から, 陳列棚にある商品を見せてほしいと言われたが, 口頭で商品を説明した。
2 聴覚障害者の手話による注文がわからなかったので, 最も人気のあるメニューを出した。
3 盲導犬を連れた視覚障害者が来店したが, 動物嫌いの客から苦情を言われると思い, 犬は店の中に入れないように頼んだ。
4 役所に相談に来た精神障害者から、多くの人の中だと不安になると言われたため、 帰宅してもらった。
5 知的障害者から申し出があったので、会議に参加するための資料をわかりやすい言葉に直して, 事前に口頭で説明した。
(注) 「障害者差別解消法」とは, 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」
のことである。
解説:「障害者差別解消法」(正式名称:「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)は、障害者が社会の中で平等に生活し、活動できるようにすることを目的とした法律 です。
この法律では、以下の2つの対応を求めています。
1.不当な差別的取扱いの禁止
・障害を理由に正当な理由なくサービスを拒否するなどの行為を禁止。
2.合理的配慮の提供
・障害者が困っていることに対して、負担が重すぎない範囲で対応すること。
・例:「資料をわかりやすくする」「移動を手助けする」など。
選択肢5は、知的障害者に対して「わかりやすい言葉で資料を作成し、口頭で説明する」という合理的配慮を行っているため、最も適切な対応なので、正解は「5」 となります。
各解答の解説は以下になります。
解答1:車いすの身体障害者から、陳列棚にある商品を見せてほしいと言われたが、口頭で商品を説明した。
→ 誤り。
・車いすの人は「実際に商品を見たい」と希望しているのに、口頭での説明だけでは合理的配慮にならない。
・正しい対応:商品を手に取って見られるようにする、店員が商品を持って近くで見せるなどの配慮が必要。
解答2:聴覚障害者の手話による注文がわからなかったので、最も人気のあるメニューを出した。
→ 誤り。
・本人の希望を無視して勝手にメニューを決めるのは「不当な差別的取扱い」にあたる可能性がある。
・正しい対応:筆談やメニュー表を指さしながらコミュニケーションをとる。
解答3:盲導犬を連れた視覚障害者が来店したが、動物嫌いの客から苦情を言われると思い、犬は店の中に入れないように頼んだ。
→ 誤り。
・盲導犬は「身体障害者補助犬法」により、飲食店や公共施設への同伴が認められている。
・正しい対応:盲導犬の受け入れを認める。動物が苦手な客には別の席を案内するなどの工夫をする。
解答4:役所に相談に来た精神障害者から、多くの人の中だと不安になると言われたため、帰宅してもらった。
→ 誤り。
・相談に来た人を追い返すのは「不当な差別的取扱い」 に該当する。
・正しい対応:個室や静かな場所に案内するなど、不安を軽減する工夫をする。
解答5:知的障害者から申し出があったので、会議に参加するための資料をわかりやすい言葉に直して、事前に口頭で説明した。
→ 正しい。(解説済み)
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