
<領域:こころとからだのしくみ>認知症の理解
問題40
Aさん (84歳,女性, 要介護3) は, アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) で, 介護老人福祉施設に入所している。 赤ちゃんの人形を持っていて,「はなちゃん」 と呼んで話しかけている。 昼食のため、介護福祉職が居室を訪問すると, Aさんは不安そうな顔で,「はなちゃんがいなくなった。 どこへ連れて行ったの? 返して」と大声を出した。 人形はAさんのロッカーの上に置かれていた。
Aさんに対する介護福祉職の最初の声かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「私を疑っているんですか」
2 「置いた場所を忘れたんですか」
3 「心配ですね, 一緒に探しませんか」
4 「ご飯を食べてから探してはどうですか」
5 「ロッカーの上にあるのが見えないんですか」
解説:Aさんはアルツハイマー型認知症を患っており、大切にしている人形(「はなちゃん」)が見当たらず、不安や混乱を感じています。認知症の方に対応する際は、不安な気持ちに寄り添い、安心感を与える対応が重要です。
適切な対応のポイント↓
・否定せず、共感する。(例:「心配ですね」)
・本人の気持ちを尊重し、一緒に行動する。(例:「一緒に探しましょう」)
・急かさず、安心させる。
この視点から、正解を検討するのがよいでしょう。各解答の解説は以下になります。
解答1:「私を疑っているんですか」 → ×(不適切)
→ Aさんの不安や焦りに対して、対立するような発言をすると、さらに混乱を招きます。認知症の方への対応では、疑いを否定せず、共感する姿勢が大切です。
解答2:「置いた場所を忘れたんですか」 → ×(不適切)
→ 「忘れた」という表現は、本人の記憶障害を指摘することになり、プライドを傷つける可能性があります。認知症の方への対応では、「忘れた」という言葉を使わず、優しくサポートすることが重要です。
解答3:「心配ですね、一緒に探しませんか」 → 〇(正解)
→ 共感しながら、安心感を与え、具体的な行動を提案 しているため、適切な対応です。「一緒に探しましょう」と提案することで、Aさんは安心感を持ち、混乱が落ち着く可能性があります。
解答4:「ご飯を食べてから探してはどうですか」 → ×(不適切)
→ Aさんにとって「はなちゃん」が最優先の問題 であるため、食事に誘導すると、話をそらされたと感じて余計に不安になる可能性があります。まずは「一緒に探す」ことで安心感を与えることが重要です。
解答5:「ロッカーの上にあるのが見えないんですか」 → ×(不適切)
→ 本人の能力を責めるような発言はNG です。認知症の方は視覚的な認識が難しくなることもあり、自分で見つけられないこともあります。そのため、相手を責めるのではなく、「一緒に探す」姿勢が大切です。
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