
<領域:こころとからだのしくみ>こころとからだのしくみ
問題30/strong>
次のうち、脳の機能停止を示す徴候に該当するものとして、 適切なものを1つ選びなさい。
1 呼吸不全
2 溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)
3 心停止
4 蠕動運動の減弱(ぜんどううんどう)
5 瞳孔散大・対光反射消失
解説:脳の機能停止(脳死)とは、脳全体(大脳、小脳、脳幹)の機能が完全に失われ、回復不可能な状態になることを指します。日本では、臓器移植法に基づき、「脳死判定」の基準が定められています。
◆脳死の診断基準(主な徴候)
・深い昏睡状態(外部刺激に全く反応しない)
・対光反射の消失(瞳孔が散大し、光を当てても収縮しない)
・脳幹反射の消失(角膜反射や咽頭反射などが消失)
・自発呼吸の消失(人工呼吸器なしでは呼吸ができない)
・平坦な脳波(電気的活動の消失)
各解答の解説は以下となります。
解答1:呼吸不全(誤り)
呼吸不全は脳の機能停止に限らず、肺や心臓の病気などでも起こる。
脳幹が完全に機能を失った場合は自発呼吸が停止するが、「呼吸不全=脳死」とは言えない。
解答2:溢流性尿失禁(誤り)
膀胱の収縮力が低下し、尿があふれ出る状態のこと。
前立腺肥大や神経障害が原因となるが、脳の機能停止とは関係ない。
解答3:心停止(誤り)
心停止は「心臓が停止すること」であり、脳死とは異なる。
脳死状態でも人工呼吸器を使用すれば心臓は動き続けるため、心停止は脳死の必須条件ではない。
解答4:蠕動運動の減弱(誤り)
腸の動き(消化管の蠕動運動)が低下する状態。
重度の病気や薬の影響で起こるが、脳の機能停止とは無関係。
解答5:瞳孔散大・対光反射消失(正しい)
脳死判定の基準の一つであり、脳幹の機能が完全に失われた証拠。
通常、光を当てると瞳孔は収縮するが、脳が機能を停止すると反応しなくなる。
脳死状態では両方の瞳孔が散大し、対光反射が完全に消失する。
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