第37回介護福祉士国家試験【問題4】

<領域:人間と社会>人間の尊厳と自立

問題4
Aさん(80歳 男性)は,有料老人ホームに入所することになった。 一人暮らしが長かったAさんは、入所当日、担当の介護福祉職と話すことに戸惑っている様子で, なかなか自分のことを話そうとはしなかった。介護福祉職は,一方的な働きかけにならないように, Aさんとコミュニケーションをとるとき,あいづちを打ちながらAさんの発話を引き出すように心がけた。このときの介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 互いの自己開示
2 コミュニケーション能力の評価
3 感覚機能の低下への配慮
4 認知機能の改善
5 双方向のやり取り

解答(クリック)
正答:5
解説:各解答の解説は次のようになります。

解答1:互いの自己開示
→ 誤り
自己開示とは、自分のことを相手に伝えることを指します。このケースでは、Aさん自身の話を引き出すことが目的であり、互いに情報を共有する自己開示とは異なります。

解答2:コミュニケーション能力の評価
→ 誤り
介護福祉職は、Aさんのコミュニケーション能力を評価する目的で対応しているわけではありません。Aさんが話しやすい雰囲気を作ることが目的です。

解答3:感覚機能の低下への配慮
→ 誤り
感覚機能の低下(例:視覚や聴覚の障害)への配慮についての記述は問題文にはありません。Aさんが戸惑っている様子は心理的な要因と考えられます。

解答4:認知機能の改善
→ 誤り
認知機能の改善は、認知症などが念頭に置かれる場合に関連しますが、問題文ではそのような記述はなく、Aさんが戸惑っている理由として認知機能の問題が示唆されているわけではありません。

解答5:双方向のやり取り
→ 正しい
介護福祉職が「あいづちを打ちながらAさんの発話を引き出すように心がけた」という対応は、一方的に話すのではなく、Aさんからの発言を促し、双方向的なコミュニケーションを図ろうとする意図があると考えられます。

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