
目次
- 1 第37回介護福祉士国家試験の合格率
- 2 <領域:人間と社会>人間の尊厳と自立
- 3 <領域:人間と社会>社会の理解
- 4 <領域:こころとからだのしくみ>こころとからだのしくみ
- 5 <領域:こころとからだのしくみ>発達と老化の理解
- 6 <領域:こころとからだのしくみ>認知症の理解
- 7 <領域:こころとからだのしくみ>障害の理解
- 8 <領域: 医療的ケア>医療的ケア
- 9 <領域: 介護> 介護の基本
- 10 <領域: 介護>>コミュニケーション技術
- 11 <領域: 介護> 生活支援技術
- 12 <領域: 介護>介護過程
- 13 <領域: 介護>総合問題(総合問題1)
- 14 <領域: 介護>総合問題(総合問題2)
- 15 <領域: 介護>総合問題(総合問題3)
- 16 <領域: 介護>総合問題(総合問題4)
第37回介護福祉士国家試験の合格率
37回介護福祉士国家試験の受験者数、合格者数、合格率、合格基準(合格点)のデータは公開され次第、掲載予定です。解答と解説は順次公開中。尚、解答は弊社の講師陣による見解となります。正式な正答については3月24日に公表します。
<領域:人間と社会>人間の尊厳と自立
問題1
次の記述のうち, 介護福祉職がアドボカシー (advocacy) の視点から行う対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護を行う前には,利用者に十分な説明をして同意を得る。
2 利用者の介護計画を作成するときに,他職種に専門的な助言を求める。
3 利用者個人の趣味を生かして,レクリエーション活動を行う。
4 希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り,その実現に向けて働きかける。
5 視覚障害者が必要とする情報を,利用しやすいようにする。
解説:アドボカシー (advocacy) とは、「擁護」や「代弁」という意味で、特に医療や福祉の分野では、利用者や患者が自分の意見を表明するのが難しい場合に、その人の立場に立って意思をくみ取り、代弁したり支援したりすることを指します。問題文にある「介護福祉職がアドボカシーの視点から行う対応」とは、利用者が直接伝えにくいニーズや希望を察して、それを実現するために働きかける行動が求められています。各解答の解説は以下となります。解答1:「利用者に十分な説明をして同意を得る」
これは介護の基本的な倫理的配慮であり重要ですが、「アドボカシー」の視点とは異なります。解答2:「他職種に専門的な助言を求める」
チームケアにおける重要な行動ですが、アドボカシーとしての直接的な行動ではありません。解答3:「趣味を生かしてレクリエーション活動を行う」
利用者の生活の質を向上させるための取り組みですが、個人の意思の代弁や擁護とは関係が薄いです。解答4:「希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り,その実現に向けて働きかける」
利用者が自分の希望を表明しにくい場合に、その意思を代弁し、実現に向けて行動することは、アドボカシーの本質にあたります。解答5:「視覚障害者が必要とする情報を,利用しやすいようにする」
情報のバリアフリー化は重要ですが、これは障害者支援の一環であり、「代弁」や「擁護」とは異なる意味を持ちます。
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問題2
Aさん(83歳, 女性, 要介護3) は, 脳梗塞 (cerebral infarction) の後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)があり, 介護老人福祉施設で生活している。 家族から, 「できることは自分で行ってほしい」と希望があり, Aさんは自室から食堂まで車いすで自走する
ことを日課としている。
1週間前から,介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に,「今日は腕が痛いので, 食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は,実習指導者に相談をした。実習生に対する実習指導者の最初の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「Aさんの腕は痛くないので、気にしないでください」
2 「どのようなときも, Aさん自身で行ってもらうことが必要です」
3 「ご家族から自分で行うように,言われています」
4 「それは自立につながらないので、車いすを押さないでください」
5 「Aさんが依頼する理由を、まず考えてみることが大切です」
解説:この問題では、介護実習中の学生が直面した状況に対する適切な指導方法を問われています。Aさんは以前は自力で食堂まで車いすを自走していましたが、最近になって実習生に車いすを押すよう依頼するようになりました。この変化に対して、実習指導者がどのように助言すべきかを考える必要があります。以下の理由から、5番が最も適切な回答といえます:1.利用者中心のアプローチ:Aさんの行動の変化には理由があるはずです。単に要求を拒否したり、無視したりするのではなく、その背景にある原因を理解しようとすることが重要です。
2.アセスメントの重要性:介護の基本は、利用者の状態や要望を適切に評価することです。Aさんの依頼の理由を考えることで、身体的、心理的、社会的な変化や問題点を発見できる可能性があります。
3.コミュニケーションスキルの向上:実習生にAさんの依頼の理由を考えさせることで、利用者とのコミュニケーション能力を向上させる機会となります。
4.個別ケアの実践:Aさんの個別の状況や需要を理解することで、より適切な介護計画を立てることができます。
5.自立支援との調和:単に「自立」を強制するのではなく、Aさんの現在の状態と自立支援のバランスを取ることが重要です。他の選択肢が適切でない理由:
解答1:Aさんの訴えを無視しており、尊厳を損なう可能性があります。
解答2と4:自立支援は重要ですが、柔軟性に欠け、Aさんの現在の状態を考慮していません。
解答3:家族の希望は重要ですが、Aさんの現在の状態や意思を無視しています。結論として、実習指導者は実習生に対し、まずAさんの行動変化の理由を考えるよう促すことが最も適切な指導方法といえます。これにより、実習生は介護の基本的な姿勢を学び、より適切なケアを提供する能力を身につけることができます。
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問題3
人間関係と心理に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 自己愛とは,自分という存在を、他人と区別して意識することである。
2 自己同一性の確立とは,自分とは何かという認識をもつことである。
3 自我とは,日常行動に影響を与える, 表面化していない意識のことである。
4 自己覚知とは,コミュニケーションにおいて自分について話すことである。
5 自己中心性とは,自分の意思で自分の行動をコントロールすることである。
解説:各解答の解説は次のようになります。解答1:自己愛とは、自分という存在を、他人と区別して意識することである。
→ 誤り
自己愛は、自分自身を愛する心や、自分を大切にする感情を指します。記述の内容は「自己概念」に近いものです。解答2:自己同一性の確立とは、自分とは何かという認識をもつことである。
→ 正しい
自己同一性(アイデンティティ)の確立は、自分がどのような存在で、何を大切にしているのかといった認識を持ち、それに基づいて行動できる状態を指します。エリクソンの発達課題にも関連します。解答3:自我とは、日常行動に影響を与える、表面化していない意識のことである。
→ 誤り
自我(エゴ)は、一般的に自分を認識する働きを指します。「表面化していない意識」という記述は無意識(潜在意識)に関するものであり、自我の定義としては不適切です。解答4:自己覚知とは、コミュニケーションにおいて自分について話すことである。
→ 誤り
自己覚知とは、自分自身について深く理解し、自分を客観的に見つめることを指します。「自分について話す」は自己開示の説明に近いものです。解答5:自己中心性とは、自分の意思で自分の行動をコントロールすることである。
→ 誤り
自己中心性は、自分を中心に物事を考える傾向を指します。記述内容は「自己制御」に関する説明です。
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問題4
Aさん(80歳 男性)は,有料老人ホームに入所することになった。 一人暮らしが長かったAさんは、入所当日、担当の介護福祉職と話すことに戸惑っている様子で, なかなか自分のことを話そうとはしなかった。介護福祉職は,一方的な働きかけにならないように, Aさんとコミュニケーションをとるとき,あいづちを打ちながらAさんの発話を引き出すように心がけた。このときの介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 互いの自己開示
2 コミュニケーション能力の評価
3 感覚機能の低下への配慮
4 認知機能の改善
5 双方向のやり取り
解説:各解答の解説は次のようになります。解答1:互いの自己開示
→ 誤り
自己開示とは、自分のことを相手に伝えることを指します。このケースでは、Aさん自身の話を引き出すことが目的であり、互いに情報を共有する自己開示とは異なります。解答2:コミュニケーション能力の評価
→ 誤り
介護福祉職は、Aさんのコミュニケーション能力を評価する目的で対応しているわけではありません。Aさんが話しやすい雰囲気を作ることが目的です。解答3:感覚機能の低下への配慮
→ 誤り
感覚機能の低下(例:視覚や聴覚の障害)への配慮についての記述は問題文にはありません。Aさんが戸惑っている様子は心理的な要因と考えられます。解答4:認知機能の改善
→ 誤り
認知機能の改善は、認知症などが念頭に置かれる場合に関連しますが、問題文ではそのような記述はなく、Aさんが戸惑っている理由として認知機能の問題が示唆されているわけではありません。解答5:双方向のやり取り
→ 正しい
介護福祉職が「あいづちを打ちながらAさんの発話を引き出すように心がけた」という対応は、一方的に話すのではなく、Aさんからの発言を促し、双方向的なコミュニケーションを図ろうとする意図があると考えられます。
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次の記述のうち, 介護福祉職のキャリアパスに関するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護計画を作成するときのポイントを明確にする。
2 介護福祉職の業務マニュアルを具体化する。
3 利用サービスに応じて求められる関係書類を検討する。
4 介護施設に必要な設備基準について確認する。
5 介護福祉職として必要な能力や経験を明確にする。
解説:各解答の解説は次のようになります。解答1:介護計画を作成するときのポイントを明確にする
→ 誤り
これは具体的な介護業務に関する内容であり、キャリアパスそのものに直接関係するものではありません。解答2:介護福祉職の業務マニュアルを具体化する
→ 誤り
業務マニュアルの作成は、介護福祉職全体の業務の標準化を図るものであり、個々のキャリアパスに直接結びつくものではありません。解答3:利用サービスに応じて求められる関係書類を検討する
→ 誤り
これは介護業務における事務的な手続きに関する記述であり、キャリアパスとは直接関係しません。解答4:介護施設に必要な設備基準について確認する
→ 誤り
施設運営における基準の確認に関する内容であり、キャリアパスに関連した内容ではありません。解答5:介護福祉職として必要な能力や経験を明確にする
→ 正しい
キャリアパスとは、職業上の成長や目標達成のための道筋を指します。この選択肢は、介護福祉職がどのような能力や経験を積むべきかを明確にすることで、将来のキャリア形成に役立てる意図が含まれています。
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B介護老人福祉施設に, 学校を卒業したばかりの元気なC介護福祉職が加わった。 2か月後、ユニットリーダーが, 「最近, C介護福祉職に笑顔が少ない。いつもとちがう様子だ」 と, フォロワーであるD介護福祉職に話した。 D介護福祉職はチームの一員として何ができるのかを考えた。D介護福祉職が最初に行うフォロワーシップとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 C介護福祉職に対して, 元気を出すように励ます。
2 ユニットリーダーが気になっていることを詳しく聞く。
3 C介護福祉職の状況をユニット内のほかのメンバーと速やかに共有する。
4 施設長に対して,何か指示を出すようにお願いする。
5 C介護福祉職に対して, 介助方法について教える。
解説:各解答の解説は次のようになります。解答1:C介護福祉職に対して、元気を出すように励ます
→ 誤り
「元気を出すように励ます」という行為は一見良さそうに思えますが、具体的な状況やC介護福祉職の心情を理解する前に行うと逆効果になる可能性があります。まずは問題の本質を理解することが優先されます。解答2:ユニットリーダーが気になっていることを詳しく聞く
→ 正しい
ユニットリーダーはC介護福祉職の変化に気づいているため、その理由や詳細をリーダーから聞き出すことが最初の適切な対応です。これにより、状況を正しく把握し、次に取るべき行動を検討できます。解答3:C介護福祉職の状況をユニット内のほかのメンバーと速やかに共有する
→ 誤り
状況の共有は場合によって必要ですが、個人のプライバシーに関わるため、慎重に行う必要があります。状況の詳細を把握する前に、チーム全体に情報を広めるのは不適切です。解答4:施設長に対して、何か指示を出すようにお願いする
→ 誤り
施設長に指示を仰ぐのは状況が深刻である場合に限られますが、この段階では詳細をまだ理解していないため、いきなり上層部に報告するのは早計です。解答5:C介護福祉職に対して、介助方法について教える
→ 誤り
C介護福祉職の問題が「笑顔が少ない」「様子が違う」といった点であるため、介助方法を教えることは状況解決につながりません。
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<領域:人間と社会>社会の理解
問題7
社会福祉法に基づく社会福祉法人に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 収益事業は禁止されている。
2 所轄庁は内閣府である。
3 設立時に所轄庁の認可は不要である。
4 評議員会を置く必要がある。
5 解散は禁止されている。
解説:各解答の解説は次のようになります。解答1:収益事業は禁止されている。
→ 誤り
社会福祉法人は、基本的に公益性の高い福祉事業を行うことが目的ですが、一定の条件を満たせば収益事業を行うことが可能です。例えば、福祉サービスの提供に関連する事業や資金確保のための事業を行うことが認められています。解答2:所轄庁は内閣府である。
→ 誤り
社会福祉法人の所轄庁は、法人の規模や種類によって異なりますが、通常は都道府県知事または厚生労働大臣(国が所管する法人の場合)です。内閣府ではありません。解答3:設立時に所轄庁の認可は不要である。
→ 誤り
社会福祉法人の設立には、所轄庁の認可が必要 です。これは社会福祉法によって定められています。解答4:評議員会を置く必要がある。
→ 正しい
社会福祉法の改正(2017年施行)により、社会福祉法人は評議員会の設置が義務付けられました。評議員会は、法人の運営が適正に行われるように監視・助言する役割を持っています。解答5:解散は禁止されている。
→ 誤り
社会福祉法人の解散は可能です。解散には、法人の意思による解散、事業の継続が困難になった場合、所轄庁の指示による解散 などの理由が考えられます。解散後の財産は、原則として他の社会福祉法人や地方公共団体などに帰属します。
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次の記述のうち,定期巡回・随時対応型訪問介護看護の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
1 利用定員は, 9人以下と定められている。
2 日中・夜間を通じて提供するサービスである。
3 認知症対応型共同生活介護 (認知症高齢者グループホーム)に入居する利用者に対して、機能訓練を行うサービスである。
4 通い、泊まり、看護の3種類の組合せによるサービスである。
5 都道府県が事業者の指定, 指導、監督を行うサービスである。
解説:定期巡回・随時対応型訪問介護看護 とは、高齢者が住み慣れた自宅で24時間安心して暮らせるように、訪問介護と訪問看護を組み合わせて提供する地域密着型サービスです。各解答の解説は次のようになります。解説1:利用定員は、9人以下と定められている。
→ 誤り
定期巡回・随時対応型訪問介護看護には「利用定員」の概念はなく、必要な利用者に対してサービスを提供できます。解説2:日中・夜間を通じて提供するサービスである。
→ 正しい
このサービスは、24時間365日対応 可能で、定期的な訪問(定期巡回)だけでなく、利用者の求めに応じた随時訪問も行います。解説3:認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居する利用者に対して、機能訓練を行うサービスである。
→ 誤り
このサービスは自宅で暮らす高齢者を対象としたものであり、グループホーム入居者向けのものではありません。また、機能訓練が主な目的ではなく、日常生活の支援を目的としています。解説4:通い、泊まり、看護の3種類の組み合わせによるサービスである。
→ 誤り
この説明は「小規模多機能型居宅介護」の特徴であり、定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは異なります。
解説5:都道府県が事業者の指定、指導、監督を行うサービスである。
→ 誤り
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は市町村が指定・監督 する 地域密着型サービス であり、都道府県ではなく、サービスを提供する自治体が管理します。
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Aさん(48歳、会社員) は,うつ症状から体調不良が続き, 仕事を休むことが増えたため、自主的に退職した。 その後、体調は回復したが, 再就職先がなかなか見つからなかった。 しばらく貯金で生活していたが, 数か月後, 生活を営むことができなくなってしまった。 頼れる親族はなく, 生活保護を受給することにした。この事例において, 日本国憲法に基づいてAさんに保障された権利として, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 団体交渉権
2 平等権
3 財産権
4 思想の自由
5 生存権
解説:生存権 とは、日本国憲法 第25条 に定められている権利で、すべての国民が 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を持つことを保証しています。Aさんは、うつ症状による退職後、貯金が尽きて生活が困難になったため 生活保護を受給 することになりました。生活保護制度は、まさに生存権を具体化するための制度 であり、国が国民の最低限の生活を保障する役割を果たします。各解答の解説は次のようになります。解答1:団体交渉権
→ 誤り
団体交渉権は、労働組合が雇用主と交渉する権利のことで、憲法 第28条 に基づくものです。本問の事例とは関係ありません。解答2:平等権
→ 誤り
平等権(憲法 第14条)は、すべての国民が法の下で平等であり、差別されない権利です。しかし、Aさんのケースは 最低限の生活を営む権利の保障 が問われており、生存権の方が適切です。解答3:財産権
→ 誤り
財産権(憲法 第29条)は、自分の財産を自由に使ったり、処分したりできる権利のことですが、今回の事例とは関係ありません。解答4:思想の自由
→ 誤り
思想の自由(憲法 第19条)は、個人が自由に思想や信念を持つ権利ですが、Aさんの事例では問題となっていません。
解答5:生存権
→ 正しい
Aさんが生活保護を受けることになったのは、憲法 第25条の生存権 に基づいて国が最低限度の生活を保障する仕組みがあるためです。このため、最も適切な選択肢となります。
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次の記述のうち, 保健所に関するものとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 保健師助産師看護師法に基づいて設置されている。
2 すべての市町村に設置の義務がある。
3 業務には精神保健に関する事項が含まれている。
4 歯科衛生士を置かなくてはならない。
5 児童の一時保護を行う。
解説:保健所とは、地域の公衆衛生に関するさまざまな業務を行う機関であり、地域住民の健康の保持・増進を図るために設置されています。保健所の業務には、精神保健に関する事項も含まれています。具体的には、精神疾患を持つ人やその家族への支援、精神保健福祉相談、地域社会への啓発活動などを行っています。各解答の解説は次のようになります。解答1:保健師助産師看護師法に基づいて設置されている。
→ 誤り
保健所は、地域保健法 に基づいて設置されています。保健師助産師看護師法は、保健師や助産師、看護師の資格や業務に関する法律であり、保健所設置の根拠法ではありません。解答2:すべての市町村に設置の義務がある。
→ 誤り
保健所は、都道府県や指定都市、中核市 などが設置するもので、すべての市町村に設置義務があるわけではありません。解答3:業務には精神保健に関する事項が含まれている。
→ 正しい
保健所の業務には、精神保健や精神障害者支援 に関する業務が含まれています。これは地域保健法や精神保健福祉法などに基づいて行われるものです。解答4:歯科衛生士を置かなくてはならない。
→ 誤り
保健所に歯科衛生士を置くことは義務ではありません。ただし、保健所が歯科保健に関する業務を行う場合があるため、必要に応じて配置されることがあります。
解答5:児童の一時保護を行う。
→ 誤り
児童の一時保護は、児童相談所 の業務です。保健所は児童の保護を直接行う機関ではありません。
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地域包括支援センターの業務に関する記述として,正しいものを1つ選びなさい。
1 地域ケア会議の開催
2 施設サービスのケアプランの作成
3 成年後見制度の申請
4 介護認定審査会の設置
5 地域密着型サービスの事業者の指導・監督
解説:地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を継続できるよう、包括的な支援を行う機関です。その業務は大きく分けて「総合相談支援」「権利擁護」「包括的・継続的ケアマネジメント支援」「介護予防ケアマネジメント」の4つの柱があります。各解答の解説は次のようになります。解答1:地域ケア会議の開催 → 正しい
地域包括支援センターは、地域ケア会議を開催し、多職種協働による支援を行います。地域ケア会議は、地域の高齢者の自立支援や生活の質向上を目的とし、ケアマネジャーや医療・福祉関係者が連携して課題を検討する場です。解答1:施設サービスのケアプランの作成 → 誤り
施設サービス(特別養護老人ホームなど)のケアプランは、施設のケアマネジャーが作成します。地域包括支援センターは主に在宅の高齢者に対する支援を担います。
解答2:成年後見制度の申請 → 誤り
地域包括支援センターは成年後見制度に関する相談や支援を行うことはありますが、直接申請を行うのは家庭裁判所です。
解答3:介護認定審査会の設置 → 誤り
介護認定審査会は、市町村が設置するものであり、地域包括支援センターの業務ではありません。
解答4:地域密着型サービスの事業者の指導・監督 → 誤り
地域密着型サービスの指導・監督は、市町村が行うものであり、地域包括支援センターの業務には含まれません。
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問題12
Bさん (85 歳, 男性, 要支援1) は、 自宅で一人暮らしをしている。 最近, 物忘れが多くなり, 1か月前から地域支援事業の訪問型サービスを利用するようになった。 ある日、Bさんが「これからも自宅で生活したい 日中, 話し相手がいなくて寂しい」 と介護福祉職に話した。次のうち、Bさんに介護福祉職が勧めるサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
2 介護老人福祉施設
3 第一号通所事業(通所型サービス)
4 夜間対応型訪問介護
5 居宅療養管理指導
解説:Bさん(85歳・男性・要支援1)は、自宅での生活を希望しつつ、「日中の話し相手がいなくて寂しい」と感じています。この状況に対し、適切なサービスを選択する必要があります。各解答の解説は次のようになります。解答1:認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
→ 誤り
認知症の高齢者が少人数で共同生活をする施設で、入所型のサービスです。Bさんは「自宅で生活したい」と希望しているため、適切ではありません。解答2:介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
→ 誤り
原則、要介護3以上の高齢者が対象となる入所型施設です。
Bさんは要支援1のため、対象外となりますし、自宅での生活を望んでいるため不適切です。
解答3:第一号通所事業(通所型サービス
→ 正しい
要支援者向けの地域支援事業の一環として提供されるサービスで、通所(デイサービス)の形態を取ります。日中の活動支援や交流の機会を提供し、寂しさを和らげる効果が期待できます。Bさんの「話し相手がいなくて寂しい」という悩みに対し、最も適したサービスです。
解答4:夜間対応型訪問介護
→ 誤り
夜間に訪問介護員が対応するサービスで、主に要介護者向けです。Bさんの主な悩みは「日中の寂しさ」なので、不適切です。
解答5:居宅療養管理指導
→ 誤り
医師や薬剤師、歯科医師、管理栄養士などが自宅を訪問し、療養上の指導を行うサービスです。Bさんの「寂しさ」の解決にはつながらないため、不適切です。
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問題13
介護保険制度に関する記述として,正しいものを1つ選びなさい。
1 第1号被保険者の保険料は、都道府県が徴収する。
2 第1号被保険者の保険料は、全国一律である。
3 第2号被保険者の保険料は、年金保険の保険料と合わせて徴収される。
4 財源には,第1号被保険者の保険料と第2号被保険者の保険料が含まれる。
5 介護保険サービスの利用者負担割合は,一律 1割である。
解説:介護保険制度は、高齢者が介護サービスを受けるための公的な保険制度であり、その財源や保険料の徴収方法は法律で定められています。各選択肢を検討し、正誤を確認します。各解答の解説は次のようになります。解答1:第1号被保険者の保険料は、都道府県が徴収する。 → 誤り
第1号被保険者(65歳以上)の保険料は、市町村(保険者)が徴収します。都道府県ではなく、市町村が主体であるため誤りです。解答2:第1号被保険者の保険料は、全国一律である。 → 誤り
第1号被保険者の保険料は、市町村ごとに異なります。
介護保険の保険者は各市町村であり、地域の高齢者数やサービス提供状況によって保険料が変わるため、全国一律ではありません。
解答3:第2号被保険者の保険料は、年金保険の保険料と合わせて徴収される。 → 誤り
第2号被保険者(40〜64歳)は、医療保険に加入している人が対象であり、介護保険料は医療保険料と合わせて徴収されます。
「年金保険の保険料と合わせて」ではなく、「医療保険料と合わせて」が正しいため誤りです。
解答4:財源には、第1号被保険者の保険料と第2号被保険者の保険料が含まれる。 → 正しい
介護保険の財源は、「50%が公費(国・都道府県・市町村)」+「50%が保険料(第1号被保険者・第2号被保険者)」という構成になっています。
第1号被保険者の保険料と第2号被保険者の保険料が財源に含まれることは正しいです。
解答5:介護保険サービスの利用者負担割合は、一律1割である。 → 誤り
以前は原則1割負担でしたが、2015年の改正により、所得に応じて「1割・2割・3割」の負担割合が適用されるようになりました。そのため、「一律1割」というのは誤りです。
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問題14
障害者の雇用の促進等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 2024年度 (和6年度)の民間企業の法定雇用率は, 2.5%である。
2 精神障害者は、法定雇用率の対象から除外されている。
3 2024年度 (令和6年度) に 障害者の雇用義務が生じるのは、従業員 101人以上の事業主である。
4 週所定労働時間が10時間以上20時間未満の労働は認められていない。
5 2024年度 (和6年度) の事業主支援(助成金)は、2023年度 (令和5年度) 以前と同じである。
解説:障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)は、障害者の雇用機会の拡大と職業の安定を図ることを目的としています。この法律に基づき、企業には一定の割合で障害者を雇用する義務が課せられています。各解答の解説は次のようになります。解答1:2024年度(令和6年度)の民間企業の法定雇用率は、2.5%である。 → 正しい
2024年4月から、民間企業の法定雇用率は2.5%に引き上げられました。解答2:精神障害者は、法定雇用率の対象から除外されている。 → 誤り
精神障害者も法定雇用率の算定対象に含まれています。したがって、除外されているという記述は誤りです。
解答3:2024年度(令和6年度)に障害者の雇用義務が生じるのは、従業員101人以上の事業主である。 → 誤り
2024年4月の法改正により、従業員数が45.5人以上の事業主に障害者の雇用義務が生じます。したがって、101人以上という記述は誤りです。
解答4:週所定労働時間が10時間以上20時間未満の労働は認められていない。 → 誤り
週所定労働時間が10時間以上20時間未満の労働も認められています。特に、重度障害者や精神障害者の場合、1人を0.5人として雇用率に算入することが可能です。
解答5:2024年度(令和6年度)の事業主支援(助成金)は、2023年度(令和5年度)以前と同じである。 → 誤り
2024年4月1日をもって、週10時間以上20時間未満で働く障害者を雇用する企業を対象とした特例給付金が廃止されました。したがって、助成金の内容は変更されています。
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問題15
「障害者総合支援法」のサービスに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 介護給付費の支給を受けるときに、障害支援区分の認定は不要である。
2 短期入所は介護給付の1つである。
3 地域生活支援事業は, 国が実施主体である。
4 自立支援給付は応益負担である。
5 行動援護は訓練等給付の1つである。
(注) 「障害者総合支援法」とは, 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
解説:「障害者総合支援法」は、障害のある人が自立した生活を送るために必要な支援を提供する法律です。サービスは「自立支援給付」と「地域生活支援事業」に大きく分けられます。各解答の解説は次のようになります。解答1:介護給付費の支給を受けるときに、障害支援区分の認定は不要である。 → 誤り
介護給付を受けるためには、原則として「障害支援区分(1~6)」の認定が必要です。例外として「障害児」や「地域生活支援事業のサービス」を受ける場合は認定不要ですが、介護給付には該当しません。解答2:短期入所は介護給付の1つである。 → 正しい
短期入所(ショートステイ)は、障害者の介護者が一時的に支援できない場合に、施設に短期間入所して介護を受けるサービスです。介護給付の一つであり、適切な解答です。
解答3:地域生活支援事業は、国が実施主体である。 → 誤り
地域生活支援事業は、障害者が地域で生活するために必要な支援を提供する事業です。市町村が実施主体であり、国ではありません。
解答4:自立支援給付は応益負担である。 → 誤り
自立支援給付(介護給付・訓練等給付など)は、所得に応じた「応能負担」(負担能力に応じた負担)が原則です。「応益負担」(サービス利用の対価を支払う方式)ではありません。
解答5:行動援護は訓練等給付の1つである。 → 誤り
行動援護は、重度の知的障害者や精神障害者で行動が難しい人に対する支援サービスです。
介護給付の一つであり、訓練等給付ではありません。
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問題16
障害児支援に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 サービスを受けるには、療育手帳の取得が必要である。
2 放課後等デイサービスは,子ども・子育て支援法に基づく支援である。
3 障害児通所支援の利用には、障害児支援利用計画の作成は不要である。
4 障害児入所支援は、すべての市町村が実施主体である。
5 保育所等訪問支援は, 保育所等を訪問し、障害のある児童が集団生活に適応できるように専門的な支援を行う。
解説:障害児支援には、障害児通所支援(居宅等での支援)と障害児入所支援(施設での支援)があり、子どもの発達や家族の状況に応じた支援が提供されます。各解答の解説は次のようになります。解答1:サービスを受けるには、療育手帳の取得が必要である。 → 誤り
障害児支援サービスを受けるために必ずしも療育手帳(知的障害者向けの手帳)が必要ではありません。身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っている場合や、医師の診断により必要と判断された場合でも支援を受けられます。解答2:放課後等デイサービスは、子ども・子育て支援法に基づく支援である。 → 誤り
放課後等デイサービスは「障害者総合支援法」に基づく障害児通所支援の一つです。子ども・子育て支援法は、主に幼児教育や保育、認定こども園などの支援に関する法律であり、放課後等デイサービスは含まれません。
解答3:障害児通所支援の利用には、障害児支援利用計画の作成は不要である。 → 誤り
障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービスなど)を利用する際には、「障害児支援利用計画」の作成が必要です。相談支援専門員が作成し、市町村の審査を受けることで支援が開始されます。
解答4:障害児入所支援は、すべての市町村が実施主体である。 → 誤り
障害児入所支援の実施主体は都道府県です。市町村が実施主体ではないため、誤りとなります。
解答5:保育所等訪問支援は、保育所等を訪問し、障害のある児童が集団生活に適応できるように専門的な支援を行う。 → 正しい
保育所等訪問支援とは、障害のある子どもが保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校などの集団生活に適応できるよう、専門職が訪問し、支援を行うサービスです。言語訓練やソーシャルスキルトレーニングなどが行われ、子どもが円滑に集団生活を送れるようにします。
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問題17
次の記述のうち, サービス付き高齢者向け住宅に関するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 「高齢者住まい法」に基づく, 高齢者のための住まいである。
2 65歳以上の者が、 市町村の措置によって入居する。
3 認知症高齢者を対象とした, 共同生活の住居である。
4 食事サービスの提供が義務づけられている。
5 介護サービスの提供が義務づけられている。
(注) 「高齢者住まい法」とは, 「高齢者の居住の安定確保に関する法律」のことである。
解説:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者の居住の安定確保を目的とした賃貸住宅です。2011年に改正された「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」に基づいて整備されています。各解答の解説は次のようになります。解答1:「高齢者住まい法」に基づく、高齢者のための住まいである。 → 正しい
「高齢者住まい法」(高齢者の居住の安定確保に関する法律)に基づき、高齢者が安心して暮らせるように整備された住宅です。バリアフリー設計で、安否確認や生活相談などの基本的なサービスが提供されます。解答2:65歳以上の者が、市町村の措置によって入居する。 → 誤り
サービス付き高齢者向け住宅は民間運営が基本であり、市町村の措置による入居(特別養護老人ホームなどの公的施設とは異なる)ではありません。
入居は個人の契約によるもので、自治体の指示で入居が決まるわけではありません。
解答3:認知症高齢者を対象とした、共同生活の住居である。 → 誤り
認知症高齢者を対象とした共同生活の住居は「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」であり、サ高住とは異なります。
サ高住には認知症の方も入居できますが、特に認知症の人向けというわけではありません。
解答4:食事サービスの提供が義務づけられている。 → 誤り
食事サービスは義務ではなく、提供するかどうかは事業者次第です。
食事の提供がある施設もありますが、利用者自身で調理することも可能です。
解答5:介護サービスの提供が義務づけられている。 → 誤り
サ高住自体は「住宅」であり、介護サービスの提供は義務ではありません。
必要に応じて、訪問介護や通所介護(デイサービス)を利用者が別契約で受ける形になります。
介護が必要な人向けに「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているサ高住もありますが、それは一部に限られます。
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問題18
Cさん (60歳 男性) は、休日に自宅で趣味の家庭菜園の作業中に脳出血(cerebral hemorrhage) を起こして救急搬送された。 特に麻痺(まひ)はなく,その後,リハビリテーション病院に転院した。 現在は, 高次脳機能障害 (higher brain dysfunction) の治療とリハビリテーションに専念している。 医療費を支払うときにCさんが利用する制度として, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護保険制度
2 労働者災害補償保険制度
3 雇用保険制度
4 医療保険制度
5 年金制度
解説:Cさんは60歳であり、脳出血による高次脳機能障害の治療とリハビリテーションを受けているため、医療費を支払う際に利用するのは「医療保険制度」が適切です。日本では、公的な医療保険制度として、健康保険(被用者保険)や国民健康保険があり、医療費の一部負担で済む仕組みになっています。
各解答の解説は次のようになります。解答1:介護保険制度 → 誤り
介護保険制度は、原則として65歳以上の人が対象です(※一部、40~64歳の人でも特定疾病が原因の場合は利用可)。
しかし、脳出血による高次脳機能障害は介護保険の特定疾病に含まれないため、60歳のCさんは介護保険の対象になりません。
よって、医療費の支払いには介護保険制度は適用されません。解答2:労働者災害補償保険制度(労災保険) → 誤り
労災保険は、仕事中や通勤中のケガや病気に対する補償制度です。
Cさんは自宅で趣味の家庭菜園中に脳出血を発症しているため、労災保険の適用対象ではありません。
解答3:雇用保険制度 → 誤り
雇用保険は、失業した際の給付や教育訓練の支援をする制度であり、医療費の支払いには関係ありません。
解答4:医療保険制度 → 正しい
医療費の支払いに適用されるのは、健康保険(被用者保険)や国民健康保険などの医療保険制度です。
病気やケガの治療、リハビリテーションにかかる費用を補助する制度であり、Cさんのケースに適しています。
解答5:年金制度 → 誤り
年金制度は、高齢者や障害者などに対する生活保障が目的の制度であり、医療費の支払いとは直接関係ありません。
ただし、Cさんが重度の障害を負った場合には「障害年金」の対象になる可能性はありますが、今回の問題では医療費の支払いに関する選択肢であるため、適切ではありません。
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<領域:こころとからだのしくみ>こころとからだのしくみ
問題19
次のうち,恐怖や不安,喜びなどの情動に関わる脳の機能局在の部位として,正しいものを1つ選びなさい。
1 扁桃体(べんとうたい )
2 小脳
3 下垂体
4 海馬
5 視床下部
解説:扁桃体(へんとうたい)は、恐怖・不安・怒り・喜びなどの情動(感情)を司る重要な脳の部位です。特に、「恐怖反応」や「不安」に関わる働きが強く、ストレスや危機的状況に対する防御反応を生じさせる役割があります。また、扁桃体は記憶や意思決定にも関与しており、海馬(記憶の形成に重要な部位)と連携して、感情に基づいた記憶の形成を助けます。解答1:扁桃体(正しい)
情動(恐怖・不安・喜びなど)を処理する中枢であり、特に「恐怖の認識」に関与。
感情に関係する記憶の処理も担い、ストレス反応や危険回避行動に関わる。解答2:小脳(誤り)
運動の調整やバランス維持に関与する部位。
身体の動きをスムーズにする役割を担うが、情動には直接関与しない。解答3:下垂体(誤り)
ホルモン分泌の中枢であり、内分泌系の調整を担う。
成長ホルモンや副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)などの分泌をコントロールするが、情動の直接的な処理は行わない。
解答4:海馬(誤り)
記憶の形成や学習に関与する部位。
扁桃体と連携して「感情を伴う記憶」の処理をするが、情動の直接的な制御は行わない。
解答5:視床下部(誤り)
自律神経の調整やホルモン分泌、睡眠・食欲・体温調節などに関与する部位。
情動と間接的に関連するが、恐怖や不安を直接制御するのは扁桃体。
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問題20
次のうち、顔の感覚に関与する脳神経として, 正しいものを1つ選びなさい。
1 嗅神経
2 三叉神経(さんさしんけい)
3 顔面神経
4 迷走神経
5 舌下神経
解説:三叉神経(さんさしんけい、第五脳神経)は、顔の感覚を支配する主要な脳神経です。
この神経は、顔の皮膚や口腔、鼻腔の感覚を司り、痛覚・温度覚・触覚などを脳に伝える役割を担っています。また、咀嚼(そしゃく)筋の運動にも関与します。三叉神経は3つの枝に分かれています
1.眼神経(V1):額や目の周囲の感覚を担当
2.上顎神経(V2):上顎や頬の感覚を担当
3.下顎神経(V3):下顎や咀嚼筋の運動を担当各解答の解説は以下となります。解答1:嗅神経(誤り)
第一脳神経であり、嗅覚(におい)を司る神経。
顔の感覚とは無関係。
解答2:三叉神経(正しい)
顔の感覚(痛覚・触覚・温度覚など)を担当する。
したがって、正解は三叉神経(2番)。
解答3:顔面神経(誤り)
第七脳神経であり、顔の表情筋の運動や味覚(舌の前2/3)を担当。
目を閉じたり、口を動かしたりする運動を司るが、顔の感覚には関与しない。
解答4:迷走神経(誤り)
第十脳神経であり、自律神経(心臓・消化器など)の調節を行う。
声帯の動きや嚥下(飲み込む動作)にも関与するが、顔の感覚には無関係。
解答5:舌下神経(誤り)
第十二脳神経であり、舌の運動を担当する。
舌の動きに関与するが、感覚には関与しない(舌の感覚は三叉神経・舌咽神経・顔面神経が担当)。
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問題21
次の記述のうち、鼻の構造と機能として、適切なものを1つ選びなさい。
1 鼻腔(びくう)は前鼻道・中鼻道・後鼻道に分かれる。
2 鼻毛は塵(ちり)や埃(ほこり)を除去する。
3 鼻腔(びくう)の奥は喉頭に直接つながっている。
4 鼻腔には毛細血管は少ない。
5 嗅細胞は外鼻孔にある。
解説:鼻毛は、鼻腔内に入ってくる塵や埃を物理的に捕える役割を果たします。これにより、空気中の不純物を除去し、肺への異物の侵入を防ぐことができます。鼻毛は、鼻の内部で非常に重要な防御機能を担っており、気道の健康に寄与しています。各解答の解説は以下となります。解答1:鼻腔(びくう)は前鼻道・中鼻道・後鼻道に分かれる(誤り)
鼻腔は前鼻道(鼻孔)・中鼻道・後鼻道に分かれますが、問題文にあるのは正確な説明ではありません。
鼻腔は鼻腔内の空間として3つの部分に分かれており、その説明に誤りがあるため、不正解です。解答2:鼻毛は塵や埃を除去する(正しい)
鼻毛は鼻腔に入り込んだ塵や埃を物理的にキャッチして除去し、呼吸を通じて肺に有害な物質が入り込まないように防いでいます。
この記述は正しいです。
解答3:鼻腔(びくう)の奥は喉頭に直接つながっている(誤り)
鼻腔の奥は喉頭ではなく咽頭に続き、喉頭に直接つながるわけではありません。
喉頭は呼吸器官の一部ですが、鼻腔とは咽頭を通じて間接的に連携しています。
解答4:鼻腔には毛細血管は少ない(誤り)
鼻腔内には毛細血管が非常に豊富に存在し、特に鼻中隔には多くの毛細血管が分布しています。
これらの血管は、空気を温め、湿らせる役割を持つため、この記述は誤りです。
解答5:嗅細胞は外鼻孔にある(誤り)
嗅細胞(嗅覚を司る神経細胞)は鼻腔の奥の部分(鼻腔の上部)にある。
外鼻孔(鼻の入り口)には嗅細胞は存在せず、嗅覚を感じるためには鼻腔内の奥深くにある嗅覚受容体が必要です。
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問題22
次のうち、歯周病 (periodontal disease)の症状として、適切なものを1つ選びなさい。
1 歯のくぼみの形成
2 歯の硬組織の軟化
3 歯髄の炎症・疼痛(とうつう)
4 歯のエナメル質の侵蝕(しんしょく)
5 歯周ポケットの形成
解説:歯周病(歯周炎)は、歯の周りの組織(歯肉、歯槽骨など)が炎症を起こし、歯周ポケット(歯と歯肉の間に形成される隙間)が深くなることが特徴的な症状です。歯周ポケットが深くなると、歯周病の進行度合いを示し、最終的には歯が抜け落ちる原因になることがあります。歯周ポケットの深さは歯周病の重症度を示す指標となります。各解答の解説は以下となります。解答1:歯のくぼみの形成(誤り)
歯のくぼみは通常、虫歯(う蝕)によって生じる症状であり、歯周病の症状ではありません。
歯周病では、歯の周囲の組織が影響を受けますが、歯自体にくぼみはできません。解答2:歯の硬組織の軟化(誤り)
歯の硬組織(エナメル質や象牙質)が軟化するのは虫歯によるものであり、歯周病によるものではありません。
歯周病は、歯周組織の炎症に関与しますが、歯の硬さや構造には直接的な影響を与えません。
解答3:歯髄の炎症・疼痛(誤り)
歯髄(歯の神経部分)の炎症や疼痛は、通常**虫歯や外的な刺激(例えば、外傷や冷たいものに対する反応)**によって引き起こされます。
歯周病は歯髄の炎症を引き起こすことはほとんどありません。
解答4:歯のエナメル質の侵蝕(誤り)
歯のエナメル質の侵食は、虫歯や酸蝕症などが原因で、歯周病には関係しません。
歯周病は歯周組織(歯肉や骨)に影響を与えるため、エナメル質への直接的な侵食は生じません。
解答5:歯周ポケットの形成(正しい)
歯周病の典型的な症状として、歯と歯肉の間に深いポケットが形成され、これが進行すると歯槽骨が減少し、最終的には歯が抜け落ちる原因になります。
歯周ポケットは、歯周病が進行することで見られる症状です。
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問題23/
A さん (78 歳, 女性) は、友人から口臭を指摘されて悩んでいる。 また、食事をするときに、「水分と一緒に食べないと飲み込みにくい」とも話している。 Aさんに歯の欠損, 麻痺(まひ)はなく、ストレスの訴えもない。 次のうち, Aさんのからだの中で, 機能低下が考えられるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 咀嚼(そしゃく)
2 蠕動運動(ぜんどううんどう)
3 嗅覚
4 唾液分泌
5 胃液分泌
解説:Aさんの症状に関して、「食事をするときに水分と一緒に食べないと飲み込みにくい」という訴えから、唾液分泌の低下が考えられます。唾液は食べ物を飲み込みやすくするために重要な役割を果たしており、唾液が少ないと飲み込みにくくなることがあります。この症状は、唾液分泌の低下が原因である可能性が高いです。また、口臭も唾液分泌の低下によって発生することがあり、唾液が不足すると口内の清潔が保たれにくく、細菌が繁殖しやすくなるためです。各解答の解説は以下となります。解答1:咀嚼(そしゃく)(誤り)
Aさんには歯の欠損や麻痺はないため、咀嚼機能の低下は考えにくいです。咀嚼に問題がない場合、他の原因による飲み込みの問題が疑われます。解答2:蠕動運動(ぜんどううんどう)(誤り)
蠕動運動は消化管での食物の移動を促進する運動ですが、Aさんの症状は飲み込みにくさに関連しており、消化管の蠕動運動の低下が直接関与するとは考えにくいです。
解答3:嗅覚(誤り)
嗅覚の低下は口臭に影響を与えることはあっても、飲み込みの問題とは直接関係がありません。嗅覚の低下に関しての記述は見当たらないため、誤りです。
解答4:唾液分泌(正しい)
唾液分泌の低下は、飲み込みにくさや口臭の原因となりやすいです。唾液が不足すると、食物の滑りが悪くなり、飲み込みが難しくなります。また、唾液が口腔内を清潔に保つ役割もあるため、その分泌が低下すると口臭が発生しやすくなります。
解答5:胃液分泌(誤り)
胃液分泌の低下は消化に影響を与える可能性がありますが、Aさんの訴えは飲み込みにくさや口臭に関連しており、胃液分泌の問題は直接的な原因として考えにくいです。
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問題24
皮膚の構造に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 表皮の厚さは平均2.0mm である。
2 真皮には角質層がある。
3 外界と接する組織は表皮である。
4 皮脂腺は皮下組織にある。
5 表皮の最表面は基底層である。
解説:皮膚は、外界からの刺激から体を守るために重要な役割を果たしています。皮膚の最外層を形成するのは表皮です。この表皮が外界と直接接しており、体を保護するバリア機能を担っています。表皮は、皮膚の最外層として、角質層や基底層などを含み、外的な環境からの防御や感覚の受容に関与しています。各解答の解説は以下となります。解答1:表皮の厚さは平均2.0mm である。(誤り)
表皮の厚さは通常、0.1~0.2mm程度であり、2.0mmは過大です。表皮は非常に薄い層で、身体部位によって厚さが異なります。解答2:真皮には角質層がある。(誤り)
角質層は表皮の最上層であり、真皮には存在しません。真皮は表皮の下にあり、皮膚の強度や弾力性を提供するための結合組織が含まれています。
解答3:外界と接する組織は表皮である。(正しい)
表皮は皮膚の最外層であり、外界と直接接しています。このため、表皮が外部環境から体を保護する役割を果たします。
解答4:皮脂腺は皮下組織にある。(誤り)
皮脂腺は真皮に位置しており、皮膚の表面に皮脂を分泌する役割を果たします。皮下組織には存在しません。
解答5:表皮の最表面は基底層である。(誤り)
表皮の最表面は角質層です。基底層は表皮の最深部にあり、新しい皮膚細胞が作られる場所ですが、最表面には位置していません。
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問題25
次のうち, 高齢者が嗜好や温度覚の低下によって高温浴を希望した場合に, 説明すべき高温浴の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 血圧の上昇
2 腸蠕動(ちょうぜんどう)の促進
3 腎機能の促進
4 副交感神経の亢進(こうしん)
5 心機能の抑制
解説:高温浴(熱いお風呂)は体に強い刺激を与えます。この刺激により、血管が拡張し、血流が増加し、血圧が上昇することがあります。特に高齢者においては、温度覚が低下しているため、高温浴を希望する場合でも体温の上昇に気づきにくいことがあり、これによって過度の血圧上昇やその他の健康リスクが生じる可能性があります。高温の環境は、心臓や血管に負担をかけるため、高齢者には注意が必要です。各解答の解説は以下となります。解答1:血圧の上昇(正しい)
高温浴による血管拡張が原因で、血圧が上昇することがあります。特に高齢者では温度に対する感覚が鈍感になっている場合があり、注意が必要です。解答2:腸蠕動(ちょうぜんどう)の促進(誤り)
高温浴が直接的に腸蠕動を促進することは一般的ではありません。むしろ、温度が高すぎると血流が皮膚に集中し、腸への血流が減少する可能性もあります。
解答3:腎機能の促進(誤り)
高温浴は血圧や循環系に影響を与えることがありますが、腎機能の促進とは関係がありません。むしろ、高温が続くと腎臓への負担が増し、腎機能に悪影響を与える可能性があります。
解答4:副交感神経の亢進(誤り)
高温浴によって副交感神経が亢進するのではなく、交感神経の活性化が起こり、心拍数が増加し、血圧が上昇することが一般的です。副交感神経はリラックス状態を引き起こすため、高温浴による反応とは逆の効果になります。
解答5:心機能の抑制(誤り)
高温浴は心機能に対して抑制的ではなく、逆に心拍数が増加し、心臓に負担をかけることがあります。特に高齢者では、高温浴が心臓に対して過度の負担をかける可能性があり、注意が必要です。
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問題26
次のうち、食物の栄養素の大部分を吸収する部位として、正しいものを1つ選びなさい。
1 胃
2 小腸
3 直腸
4 横行結腸
5 S状結腸
解説:食物の栄養素は、消化管を通過しながら分解・吸収されます。その中で、栄養素の大部分を吸収するのは「小腸」です。小腸には絨毛(じゅうもう)と呼ばれるひだ状の構造があり、表面積を広げて効率よく栄養を吸収できるようになっています。各栄養素の吸収場所:
・炭水化物 → 小腸(単糖類として吸収)
・タンパク質 → 小腸(アミノ酸として吸収)
・脂質 → 小腸(脂肪酸・モノグリセリドとして吸収)
・ビタミン・ミネラル → 主に小腸で吸収(一部例外あり)各解答の解説は以下となります。解答1:胃(誤り)
胃は主に食べ物を消化する働きを持ち、吸収の役割は少ないです。
アルコールや一部の薬は胃で直接吸収されることもありますが、栄養素の大部分の吸収は行われません。
解答2:小腸(正しい)
栄養素の大部分を吸収する部位であり、正解。
小腸は十二指腸・空腸・回腸の3つの部分に分かれ、主に空腸と回腸で吸収が行われます。
解答3:直腸(誤り)
直腸は主に便をためる役割を持ち、栄養の吸収はほぼ行われません。
一部の薬(坐薬など)は直腸の粘膜から吸収されますが、栄養吸収には関係ありません。
解答4:横行結腸(誤り)
結腸は主に水分やミネラルの吸収を行います。
栄養素の吸収は小腸で完了しており、結腸ではほとんど行われません。
解答5:S状結腸(誤り)
S状結腸も直腸と同様に、便をためる役割が主で、栄養吸収はほぼ行われません。
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次の記述のうち, レム睡眠に関するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 記憶を整理し, 定着させる。
2 脳を休息させる。
3 入眠初期に出現する。
4 成長ホルモンの分泌を促す。
5 深い眠りの状態である。
解説:レム睡眠(Rapid Eye Movement Sleep)は、睡眠の中でも「浅い眠り」の状態であり、脳が活発に活動しているのが特徴です。レム睡眠中には、記憶の整理や定着が行われるとされており、特に学習や経験したことを長期記憶として固定する重要な役割を持っています。そのため、レム睡眠を十分に取ることは、記憶力や学習能力の向上につながります。各解答の解説は以下となります。解答1:各選択肢の検討
記憶を整理し、定着させる。(正しい)
レム睡眠は、脳が活発に働く状態で、記憶の整理や定着に関与する。
特に、前日に学習した内容を脳に定着させると考えられている。
夢を見ることが多いのもレム睡眠中である。
解答2:脳を休息させる。(誤り)
脳の休息は、主にノンレム睡眠(特に深い眠りの段階)で行われる。
レム睡眠はむしろ脳が活動している状態であり、休息とは言えない。
解答3:入眠初期に出現する。(誤り)
睡眠は「ノンレム睡眠」から始まり、レム睡眠は睡眠周期の後半に出現する。
入眠直後は主に深いノンレム睡眠で、レム睡眠は約90分後に最初に現れる。
解答4:成長ホルモンの分泌を促す。(誤り)
成長ホルモンはノンレム睡眠(特に深い睡眠)中に多く分泌される。
成長ホルモンは、身体の成長や細胞修復に関与し、特に成長期の子どもに重要。
解答5:深い眠りの状態である。(誤り)
レム睡眠は浅い眠りであり、脳波を見ると覚醒時に近い活動がみられる。
「深い眠り」=ノンレム睡眠の徐波睡眠(ステージ3・4)である。
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問題28
B さん (76歳 男性)は,この数週間, 日中に, 「眠い」と訴えている。 Bさんは毎日15時にコーヒー1杯を飲み, たばこを1本吸い, 21時に就寝する。 夜間の睡眠状態を数日間観察すると,睡眠中にぴくぴくと下肢が動いていることがたびたびあった。 起床後、 手足に異常を感じるかをBさんに確認したが、 「特にない」とのことだった。 次のうち, Bさんの睡眠障害の原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ニコチン摂取
2 レム睡眠行動障害
3 レストレスレッグス症候群
4 カフェイン摂取
5 周期性四肢運動障害
解説:Bさんは夜間の睡眠中に「ぴくぴくと下肢が動く」という特徴があり、これは周期性四肢運動障害(PLMD)の典型的な症状です。◆PLMD(周期性四肢運動障害)とは?
・睡眠中に無意識に足(特に膝や足首)がピクピクと動く睡眠障害の一種。
・自分では気づかないことが多く、家族や同居人によって発見されることが多い。
・寝ている間に何度も動くため、睡眠の質が低下し、日中の眠気につながる。
・高齢者に多い(特に60歳以上)。Bさんも日中に眠気を感じているため、睡眠の質が低下している可能性が高く、PLMDが原因と考えられます。
各解答の解説は以下となります。
解答1:ニコチン摂取(誤り)
ニコチンには覚醒作用があり、入眠困難の原因にはなるが、Bさんの主訴である「睡眠中の下肢の動き」とは関係が薄い。
また、Bさんは1日1本しか喫煙していないため、影響は少ないと考えられる。
解答2:レム睡眠行動障害(誤り)
レム睡眠行動障害(RBD)は、夢を見ている間に体が動く疾患で、手足を大きく動かしたり、話したり、場合によってはベッドから落ちることもある。
一方、PLMDはレム睡眠ではなく、ノンレム睡眠中に起こることが多い。
Bさんは「ぴくぴく」とした小さな動きであり、RBDのような激しい動きは見られないため、該当しない。
解答3:レストレスレッグス症候群(誤り)
レストレスレッグス症候群(RLS)は、就寝前や安静時に足がむずむずしたり、不快感を伴う症状が出る。
Bさんは「起床後に手足に異常を感じていない」ため、RLSの特徴である「不快感」がない点で異なる。
解答4:カフェイン摂取(誤り)
カフェインには覚醒作用があるため、入眠困難の原因にはなるが、睡眠中の下肢の動きとは関連が薄い。
さらに、Bさんは15時にコーヒー1杯を飲んでいるだけであり、就寝時間(21時)には大きな影響を与えにくい。
解答5:周期性四肢運動障害(正しい)
睡眠中に「ぴくぴくと下肢が動く」症状が見られるため、PLMDが最も適切。
自分では気づかないことが多く、家族や観察によって発見される。
日中の眠気の原因となるため、Bさんの症状に合致する。
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問題29
次のうち、呼吸中枢がある部位として,正しいものを1つ選びなさい。
1 大脳
2 中脳
3 小脳
4 延髄
5 脊髄
解説:呼吸中枢は、自律的に呼吸を調節するための神経中枢で、延髄(えんずい)にあります。◆延髄の主な役割
・呼吸の調節(呼吸中枢)
・心拍や血圧の調節(循環中枢)
・嚥下や嘔吐の反射◆呼吸中枢の働き
・吸息(息を吸う)と呼息(息を吐く)のリズムを制御する。
・血液中の二酸化炭素(CO₂)濃度を感知し、呼吸の深さや速さを調整する。
・酸素が不足すると、呼吸の回数や強さを増やすように指令を出す。
各解答の解説は以下となります。
解答1:大脳(誤り)
大脳は思考、記憶、感覚、運動の調節を担う。
呼吸を「意識的に」コントロールすることはできるが、自律的な調節は行わない。
解答2:中脳(誤り)
中脳は視覚・聴覚の反射や運動調節を担当する。
呼吸中枢は含まれない。
解答3:小脳(誤り)
小脳は運動の調整やバランスの維持を担当する。
呼吸のリズム調節には関与しない。
解答4:延髄(正しい)
呼吸中枢が存在し、呼吸の自律的な調節を担う。
呼吸だけでなく、血圧や心拍の調節にも関わるため、生命維持にとても重要な部位。
解答5:脊髄(誤り)
脊髄は手足の運動や感覚の伝達を担う。
延髄の指令を受けて呼吸筋を動かす役割はあるが、呼吸中枢そのものはない。
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問題30
次のうち、脳の機能停止を示す徴候に該当するものとして、 適切なものを1つ選びなさい。
1 呼吸不全
2 溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)
3 心停止
4 蠕動運動の減弱(ぜんどううんどう)
5 瞳孔散大・対光反射消失
解説:脳の機能停止(脳死)とは、脳全体(大脳、小脳、脳幹)の機能が完全に失われ、回復不可能な状態になることを指します。日本では、臓器移植法に基づき、「脳死判定」の基準が定められています。◆脳死の診断基準(主な徴候)
・深い昏睡状態(外部刺激に全く反応しない)
・対光反射の消失(瞳孔が散大し、光を当てても収縮しない)
・脳幹反射の消失(角膜反射や咽頭反射などが消失)
・自発呼吸の消失(人工呼吸器なしでは呼吸ができない)
・平坦な脳波(電気的活動の消失)各解答の解説は以下となります。
解答1:呼吸不全(誤り)
呼吸不全は脳の機能停止に限らず、肺や心臓の病気などでも起こる。
脳幹が完全に機能を失った場合は自発呼吸が停止するが、「呼吸不全=脳死」とは言えない。
解答2:溢流性尿失禁(誤り)
膀胱の収縮力が低下し、尿があふれ出る状態のこと。
前立腺肥大や神経障害が原因となるが、脳の機能停止とは関係ない。
解答3:心停止(誤り)
心停止は「心臓が停止すること」であり、脳死とは異なる。
脳死状態でも人工呼吸器を使用すれば心臓は動き続けるため、心停止は脳死の必須条件ではない。
解答4:蠕動運動の減弱(誤り)
腸の動き(消化管の蠕動運動)が低下する状態。
重度の病気や薬の影響で起こるが、脳の機能停止とは無関係。
解答5:瞳孔散大・対光反射消失(正しい)
脳死判定の基準の一つであり、脳幹の機能が完全に失われた証拠。
通常、光を当てると瞳孔は収縮するが、脳が機能を停止すると反応しなくなる。
脳死状態では両方の瞳孔が散大し、対光反射が完全に消失する。
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<領域:こころとからだのしくみ>発達と老化の理解
問題31
次の記述のうち, 子どもの標準的な成長として、 適切なものを1つ選びなさい。
1 1歳半から2歳ごろに,ハイハイをして移動できるようになる。
2 生後9か月から1歳ごろに, 指をさして自分の関心や欲求を他者に伝えられるようになる。
3 子どもが使う言葉が急に増える語彙爆発は, 5歳を過ぎたころに生じる。
4 人見知りの反応は、2歳を過ぎたころに生じる。
5 イヤイヤをしてすぐに泣く行動は,第二反抗期に生じる。
解説:子どもの成長は運動・認知・言語・社会性の4つの側面で進んでいきます。発達には個人差がありますが、一般的な発達の流れに基づいてどの解答が正解か検討します。各解答の解説は以下となります。解答1