第37回介護福祉士国家試験【問題1】

<領域:人間と社会>人間の尊厳と自立

問題1
次の記述のうち, 介護福祉職がアドボカシー (advocacy) の視点から行う対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護を行う前には,利用者に十分な説明をして同意を得る。
2 利用者の介護計画を作成するときに,他職種に専門的な助言を求める。
3 利用者個人の趣味を生かして,レクリエーション活動を行う。
4 希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り,その実現に向けて働きかける。
5 視覚障害者が必要とする情報を,利用しやすいようにする。

解答(クリック)
正答:4
解説:アドボカシー (advocacy) とは、「擁護」や「代弁」という意味で、特に医療や福祉の分野では、利用者や患者が自分の意見を表明するのが難しい場合に、その人の立場に立って意思をくみ取り、代弁したり支援したりすることを指します。問題文にある「介護福祉職がアドボカシーの視点から行う対応」とは、利用者が直接伝えにくいニーズや希望を察して、それを実現するために働きかける行動が求められています。各解答の解説は以下となります。

解答1:「利用者に十分な説明をして同意を得る」
これは介護の基本的な倫理的配慮であり重要ですが、「アドボカシー」の視点とは異なります。

解答2:「他職種に専門的な助言を求める」
チームケアにおける重要な行動ですが、アドボカシーとしての直接的な行動ではありません。

解答3:「趣味を生かしてレクリエーション活動を行う」
利用者の生活の質を向上させるための取り組みですが、個人の意思の代弁や擁護とは関係が薄いです。

解答4:「希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り,その実現に向けて働きかける」
利用者が自分の希望を表明しにくい場合に、その意思を代弁し、実現に向けて行動することは、アドボカシーの本質にあたります。

解答5:「視覚障害者が必要とする情報を,利用しやすいようにする」
情報のバリアフリー化は重要ですが、これは障害者支援の一環であり、「代弁」や「擁護」とは異なる意味を持ちます。

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