
次の事例を読んで,問題121について答えなさい。
【事例】
Eさん(34歳,女性,障害支援区分3)は,特別支援学校の高等部を卒業後,週2回,生活介護を利用しながら自宅で生活している。Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳
性麻痺(cerebral palsy/のうせいまひ)で不随意運動があり,首を振る動作が見られる。 食事は首の動きに合わせて,自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強 く,食事が終わると,「首が痛い,しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。 また,お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが,コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて,お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。 Eさんは,生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは,「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
<領域:総合問題>総合問題3
問題121
Eさんがお茶を飲むときの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1.吸い飲みに変更する。
2.ストローつきコップに変更する。
3.重いコップに変更する。
4.コップを両手で持つように伝える。
5.全介助を行う。
解説:この問題では、Eさんがお茶を飲むときの介護福祉職の対応として最も適切なものを選びます。Eさんはアテトーゼ型の脳性麻痺で不随意運動があり、コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきています。自立心が強く、自分のことは自分でやりたいと考えていることも重要な要素です。各解説は以下になります。
解答1:吸い飲みに変更する。
吸い飲みは確かにこぼれにくくなりますが、Eさんの自立心を考えると不適切です。自分でコップを持って飲みたいという意欲を損なう可能性があります。
解答2:ストローつきコップに変更する。
ストロー付きのコップは不随意運動によるこぼれを減らすのに有効です。Eさんが自分で飲むことを続けられるようにサポートします。
解答3:重いコップに変更する。
重いコップにすることで、不随意運動が抑えられる可能性がありますが、持ち上げるのが難しくなる場合があります。Eさんにとっては負担が大きくなるかもしれません。
解答4:コップを両手で持つように伝える。
両手で持つことで安定感が増し、こぼれにくくなる可能性がありますが、不随意運動が強い場合には効果が限定的です。
解答5:全介助を行う。
全介助はEさんの自立心を大きく損ないます。Eさんが自分で飲むことを希望しているため、避けるべき対応です。
以上からEさんの自立心を尊重しながらこぼれにくい方法を提供する対応として最も適切なのは解答2と言えます。
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