次の事例を読んで,問題120について答えなさい。
【事例】
Eさん(34歳,女性,障害支援区分3)は,特別支援学校の高等部を卒業後,週2回,生活介護を利用しながら自宅で生活している。Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳
性麻痺(cerebral palsy/のうせいまひ)で不随意運動があり,首を振る動作が見られる。 食事は首の動きに合わせて,自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強 く,食事が終わると,「首が痛い,しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。 また,お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが,コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて,お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。 Eさんは,生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは,「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
<領域:総合問題>総合問題3
問題120
Eさんの食事の様子から,今後,引き起こされる可能性が高いと考られる二次障害として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1.変形性股関節症(coxarthrosis)
2.廃用症候群(disuse syndrome)
3.起立性低血圧(orthostatic hypotension)
4.脊柱側弯症(scoliosis/せきちゅうそくわんしょう)
5.頚椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy/けいついしょうせいせきずいしょう)
解説:この問題では、Eさんの食事の様子から引き起こされる可能性が高い二次障害を選びます。Eさんはアテトーゼ型の脳性麻痺で、不随意運動があり、特に首を振る動作が顕著です。食事中に不随意運動が強く、首が痛い、しびれると訴えることがあり、これを基に最も適切な二次障害を考えます。各解説は以下になります。
解答1:変形性股関節症(coxarthrosis)
股関節の軟骨が摩耗することで起こる症状です。Eさんの食事の様子や首の痛みとは直接関係がありません。
解答2:廃用症候群(disuse syndrome)
長期間の活動停止や寝たきり状態によって筋力低下や関節拘縮が起こる症候群です。Eさんが活発に活動している様子からはこの可能性は低いです。
解答3:起立性低血圧(orthostatic hypotension)
立ち上がった時に血圧が急激に下がることでめまいや失神を引き起こす症状です。Eさんの食事の状況とは直接関係がありません。
解答4:脊柱側弯症(scoliosis/せきちゅうそくわんしょう)
脊椎が側方に湾曲する症状です。Eさんの不随意運動や首の動きとは関連性が薄いです。
解答5:頚椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy/けいついしょうせいせきずいしょう)
頚椎(首の椎骨)の変性により脊髄が圧迫され、首の痛みやしびれを引き起こす症状です。Eさんが首の動きに伴って痛みやしびれを訴えていることから、この可能性が高いです。
したがって、Eさんの食事の様子から引き起こされる可能性が高い二次障害として最も適切なものは解答5と言えます。
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