
次の事例を読んで,問題111について答えなさい。
【事例】
Bさん(50歳,男性,障害支援区分3)は,49歳のときに脳梗塞(cerebral infarction) を発症し,左片麻痺(ひだりかたまひ)で高次脳機能障害(higher brain dysfunction)と診断された。以前は大工で,手先が器用だったと言っている。 現在は就労継続支援B型事業所に通っている。短期目標を,「右手を使い,作業を自分ひとりで行える( 3 か月)」と設定し,製品を箱に入れる単純作業を任されていた。 ほかの利用者との人間関係も良好で,左片麻痺(ひだりかたまひ )に合わせた作業台で,毎日の作業目標を達成していた。
生活支援員には,「将来は手先を使う仕事に就きたい」と希望を話していた。 将来に向けて,生活支援員が新たに製品の組立て作業を提案すると,Bさんも喜んで受け入れた。初日に,「ひとりで頑張る」と始めたが,途中で何度も手が止まり,完成品に不備が見られた。生活支援員が声をかけると,「こんなの,できない」と大声を出した。
<領域:介護>介護過程
問題111
生活支援員の声かけに対し,Bさんが大声を出した理由を解釈する視点と して,最も適切なものを1つ選びなさい。
1.ほかの利用者との人間関係
2.生活支援員に話した将来の希望
3.製品を箱に入れる毎日の作業量
4.製品の組立て作業の状況
5.左片麻痺(ひだりかたまひ)に合わせた作業台
解説:事例に基づき、Bさんが生活支援員の声かけに対して大声を出した理由を解釈する視点を選びます。
事例の要点↓
・Bさんは脳梗塞により左片麻痺と高次脳機能障害を抱えています。
・以前は大工で、手先が器用だった。
・現在は就労継続支援B型事業所に通い、製品を箱に入れる単純作業をしている。
・短期目標は「右手を使い、作業を自分ひとりで行える」こと。
・将来は手先を使う仕事に就きたいと話している。
・生活支援員が提案した製品の組立て作業を喜んで受け入れたが、初日に「できない」と大声を出した。
各解説は以下になります。
解答1:ほかの利用者との人間関係
Bさんは他の利用者との人間関係が良好であるため、大声を出した理由には直接関係しません。
解答2:生活支援員に話した将来の希望
将来の希望を話したことはBさんの意欲を高めていますが、大声を出した理由の直接的な視点にはなりません。
解答3:製品を箱に入れる毎日の作業量
毎日の作業量に問題があったわけではないため、大声を出した理由とは関係がありません。
解答4:製品の組立て作業の状況
Bさんが新しい作業で困難を感じ、大声を出したことは、製品の組立て作業に対するストレスや失敗に対する挫折感が原因と考えられます。これが最も直接的な理由です。
解答5:左片麻痺に合わせた作業台
作業台の適合性は問題ではなく、新しい作業の困難さに関係しています。
従って、最も適切な解釈の視点は解答4と言えます。Bさんは新しい作業に挑戦しましたが、途中で手が止まり、不備が見られたために自信を失い、大声を出しました。新しい作業の困難さや失敗に対する挫折感が、Bさんの反応の原因と考えられます。
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